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【……あれ? これって一体 どういうこと??】
[◯月◇日△曜日 本日の天気 はれ]
「なぁ、一(ハジメ)」
「ん〜?」
「俺やっぱり我慢ならん。今日こそ心決めて行ってこようと思う」
「ん〜そなの〜?」
「あぁ。今日は絶対言う」
意を決してダァンッ!と立つ席。
周りに「またやってるよこいつ」という目で見られるけど知らん。好きに言っとけ!
寧ろそれすら俺に勇気をくれる応援歌に聞こえるってか!?
教室を飛び出し意気揚々と向かうのは2つ隣のクラス。
扉を開ける前に、ふうっと深呼吸。
(今日はやる…言うぞ絶対。絶対やるんだ)
俺は、俺の〝薔薇〟にーー
「あれ、こーやじゃんど〜したの??」
「っ、十(テン)ちゃん!」
開ける前にガラッと扉が開き、よく知った声が上から降ってきた。
「一もいる、やっほ〜」
「え、お前着いてきたのか!?」
「当たり前〜まぁいつものことじゃん」
「ぐぇっ、ちょ、重い重いって!!」
頭上で会話する2人と、長身に潰されぐぐぐっとなっている俺と。まぁいつもの光景、悲しいけどさ。
後ろからのしかってきたこの男は十十木(トトキ)一。俺と同じクラスの奴。
で、この目の前にいる女の子は十十木 十。こいつの双子の妹だ。
一卵性双生児のこいつらは驚くほど高身長でモデル並みにスタイルがいい。性別の違い?で十ちゃんのが背が低いけど、それでも170超えてる。169cmの俺が言うんだ間違いない。
顔もそりゃあ整ってる。神様はこいつらに才を与えすぎ。この世は不平等で成り立ってる、全くもってそうだ、うん。
そんな2人と俺は幼馴染み。幼稚園の頃からの仲で、もうずっと一緒にいる。
学園でも有名なこいつらと幼馴染みなんて鼻高!いや学園来る前から既に有名だったけど。それこそ幼い頃から。
まぁそりゃな、こんだけタッパあって顔も綺麗だとな、なんか後光というかキラキラしたのが見えるよな。わかる。
2人の間にいると俺あれなんだよ、囚われの宇宙人。いやだって俺平凡だしキラキラとか無いし。
(ーーけど!!)
残念ながら、俺はそれどころじゃない。
今、というかこの学園に来てからずっと俺は別のものに心惹かれている。
この双子と同等…いやそれ以上に光り輝く、まるでダイヤモンドか何かの原石のような人。
「十ちゃん? どうしたの……?」
それはいつも十ちゃんの後ろにいて、ちょこちょこっと背伸びしながらこちらを見ていて
「あ、紅弥(コウヤ)くんっ、おはよう」
「っ、おはよう未紅(ミク)ちゃん!あのーー」
横にずれた十ちゃんの影から現れた人物。
ーー早乙女(サオトメ) 未紅。
彼女こそ、俺の薔薇だと確信している。
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