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リクエスト7 アーヴィングとラーゲルクヴェストによる互いの番自慢が勃発→騒ぎになりリシェとロカに怒ら

アーヴィングとラーゲルクヴェストによる互いの番自慢が勃発→騒ぎになりリシェとロカに怒られてしまう話 ※リクエスト5後の時間軸です。 【side アーヴィング】 「我が番はこんなにも可愛い」 ……思えば、恐らく陛下のこの言葉から始まったのかもしれない。 前に陛下と酒を交わしてから、時々バルコニーで時間を共に過ごすようになった。 月に1、2度陛下からお声掛けいただき、少し酒を飲んで話をする。 手ぶらでは申し訳ないと、最近は街で買ったつまみなどを片手に向かうことが多い。 陛下から呼ばれる日は、大概王妃様が俺たちの部屋に遊びに来ている。 「アーヴィング僕と交代ねっ!リシェ来たよ〜」と、こちらもお菓子片手に話をしているらしい。 リシェも何気に楽しみにしているようで、ワクワクしながら王妃様が来るのを待っている。 (まぁ、俺じゃ言いにくいこともあるだろうしなぁ) 2人でしたい話もあるだろう。 互いに肩の力を抜いて、いい時間を過ごせているのならばいい。 「今日の酒はどうだ? この前外交が珍しいものをもらったらしくてな、お前と飲もうと取っておいたのだ」 「確かに面白い味ですね。やや甘めですがそこまで舌に残ることもなく、あっという間にグラスが空いてしまう。 これは足を取られてしまいそうです」 「思いの外強い酒だからな。しかし確かに飲みやすい……今度ロカたちにも飲ませてみるか」 「王妃様はお子が産まれてからですね」 「うむ」 王妃様の腹はだいぶ膨らんでおり、出産は間も無くではないかと言われている。 性別は確認していないらしい。どちらなのか、自分もとても楽しみだ。 (これから城は一気に賑やかになるだろうな……) 「ーーそう言えば」 「?」 グラスをテーブルに置きながら、陛下がニヤリと笑った。 「リシェとの夜はどうだった?」 「とても、幸せなものでした」 「だろうな。これまでのものとは比べ物にならないだろう」 「はい。運命の番とはこういうことなのかと、身をもって実感しました」 ただ、気持ちよかった。 身も心も重なり合った感覚は本当に格別で。 「あぁ、自分はこの者でないと駄目だ」と心の底から感じた。 「陛下は、現在王妃様は妊娠しておられますし大変なのでは?」 「いや、問題はない。 〝コッチ〟でしてもらうことが多くてな?」 指で輪っかを作り口に持っていく動作に、思わず苦笑した。 「ナカは子が驚くだろうからな。 口もいいぞ? また違った気持ちよさがある。一生懸命咥えるロカの表情も良いしな。吸ったり舌を這わせたり、最近少しずつ上手くなってきている。私のために懸命にコッチのことも勉強しおって……あぁ全く、我が番はこんなにも可愛い。間違いなくセグラドル1だ」 「………ほお?」 陛下が王妃様を溺愛するのはいつものこと。 だが、何故か今日はいつものように流すことが出来ない。 グイッと勢いよく酒を煽り、空のグラスをテーブルに置いた。 「リシェも、初夜以降日に日に慣れ可愛らしく声を上げています」 緊張しながらも感じていた身体は、回数を重ねるごとに力が抜けていき、今じゃ素直に自分を感じている。 遠慮がちだった声も、快感に反応するよう自然に鳴くようになって。 抱けば抱く程艶やかになっていくリシェに、いつも目が離せない。 「日常生活においてもリシェに変な虫が付かないか心配で……あんなに綺麗で奥ゆかしいΩはそうおりません。 セグラドルの宝のようなあの存在を、俺は本当に部屋へ隠しておきたい」 「ほう? そうか宝か。なれば我がΩも是非隠しておきたいものだ」 空いたグラスに再び並々の酒を注ぎながら、ふんっと陛下が笑う。 「ロカのいいところは元気の良さだ。リシェのような奥ゆかしさは無いが、太陽のごとく明るいその笑顔は常にセグラドルを照らしてくれる。 その太陽が快感に歪む顔を、私だけが知っているのだ。民に向かって微笑む姿がどの様な声で鳴き、身体を震わせているのかを、私だけが……! この国の太陽を独り占めしているのは、私なのだ。誰にも触れさせはせん。私を欲しいと縋るロカは別格よ」 「リシェも別格です。 同じく自分を欲しいと伸ばしてくる手の温度、表情、息遣い、全てが美しい。 甘く鳴く声は本当に腰に響き、どんなに仕事で疲れていても抱き潰してしまいたくなる。 あれが今ごろ他のαの下で鳴いていたらと思うと、はらわたが煮え繰り返る思いです。リシェが〝運命だ〟と告げてくれたことに、未だに心から感謝をしている。 自分の人生においての最大の運を使いました」 「私も最大の運を使ったと思っている。 長年現れなかったΩがロカで誠に良かった。私はロカのためこの国を保ち続けたのだと感じている。 今こうしてセグラドルを治められるのも、ロカのおかげだ。世継ぎもでき、間も無く出産。後何人か子が欲しいものよ。 さて、次はどうやって抱き潰そうか」 「つい最近リシェが気絶するまで抱きましたが、その時は四つん這いにし後ろからーー」 止まらない会話。 グラスが空になると同時に注がれる、並々の酒。 頭がジィンと痺れる不思議な感覚と、よく動く口に身を任せ、知らず知らず大きくなっている声で陛下と共に話をしていく。 夜の涼しい風が頬を撫で、それさえ気持ちいと感じてーー 「ラーゲル様!!」「アーヴィング様!!」 「「っ、」」 大きな声に振り向くと、正に話の種にしていた2人が顔を真っ赤にしながら立っていた。 「こんな外でなんて話してるんですか!? 信じらんないっ!」 「外? 何を言ってるんだロカ、バルコニーだぞ」 「バルコニーも外でしょうが! そんな大声であられもない話して……窓開けてるみんなの部屋にも聞こえてるんですよっ!?」 「………なに?」 ハッとする陛下と共に自分も番を見ると、こちらを睨みながら恥ずかしそうにふるふる震えていて。 「ロカ様と話していると部屋に顔を真っ赤にした侍女がやってきて、教えてくれました……っ」 「な、リシェ、それは」 「酒に酔っていたなんて言い訳、聞きませんからね」 「うっ……」 「大体っ!なんで部屋の中じゃなくてバルコニーで話してるの? 人に聞かれるの当たり前じゃん!」 「ロ、ロカ、普段は静かに語り合っているのだ。 今日はたまたま強い酒を飲んでいて、それでーー」 「そういうの受け付けないから!!」 「ぐっ……」 完全に怒りきっている番に気圧され、陛下と共にタジタジになりながら後ずさる。 「……今日は僕、リシェと一緒に寝るから」 「なに!? なれば、私はどうすれば」 「広いベッドの中でひとりで反省してよねっ」 「ロ、ロカ……」 ふんっ!と顔をそっぽに向けリシェへ抱きつく王妃様に、思わず自分も口を開こうとすると 「そういうことですので。アーヴィング様」 「っ、リシェ……」 ニコリと笑いながら、王妃様へ仲睦まじく抱きつき返すのが見えた。 ヒソヒソ…… 「アーヴィングよ、一晩くらいならまぁ良しとしようではないか。 それで怒りが治るのであれば、それが良い」 「そう…ですね……」 方時も離したくはないが、しょうがない。 突然のことに酔いも覚めてきて、反省から苦笑してしまう。 陛下と共に、つい会話が止まらなくなっていた。 今回は俺たちに非がある。 だから、可愛らしい番の言うことを大人しくーー 「あ、それからラーゲル様」 「アーヴィング様も」 「ん……?」「なんだ?」 「「次の発情まで、セックスは禁止ですからね」」 「「…………なに?」」 「軽く触ったりするのも無しだからねっ」と言いながら、王妃様がリシェと共に歩き出す。 「リ、リシェ、待ってくr」 「アーヴィング様」 振り返った番は、それはいい笑顔で。 「おやすみなさい、ゆっくり休まれてくださいね」 ガチャンと、扉の音が無機質に響いた。 「成る程、ロカは怒らせると敬語が外れるのか……」 「陛下、今はそんなことを言ってる場合じゃありません!」 しまった、やらかした。 ほとぼりが覚めるのは時間が掛かるだろうか。 さて、どうやって許してもらおう…… バルコニーの片付けを侍女に頼み、窓も全て閉じた完全な部屋の中で陛下と真剣に話し合いをし(まるで機密情報を扱うかのようだった) その次の日から、Ωの2人へ何とかして許しを乞うこの国で最も偉いαと強いαの姿を 城の者たちは、それはおかしく眺めていたのだそうな。 〜fin〜

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