7 / 11

7

(もしも、僕だったらどうしよう) 「秘密」と言われた日から、授業中も委員会中もずっとグルグルしてる。 ・先輩の探し人は中学生の頃から ・先生ではなく生徒 ・何かしらの特徴があり、先輩もそれを知っている (特徴…もしかして青い目のことだったり……) 先輩に抱かれる前、急いでコンタクトをはずした。 もしそれを覚えていたのなら、多分青い目の人を探してる……? いや、でもまだそうと決まったわけじゃない。 けど…… それに、もしその探し人を見つけたら…どうするの……? (『なんで抱かれたんだ』とか……) 『記憶が曖昧な中の行為って、何考えてるの?』 『まさか俺が誘ったとか? いやいやあり得ない君からでしょ? ってことはこの場合俺が襲われた?』 『大体、瞳が青色とか本当に日本人の血しか流れてないの? ーー気持ち悪いね』 「ーーーーっ、」 キーン コーン カーン コーン 「今日はここまで。 宿題は解ききれなかった下2問をやること。以上」 「きりーつ」 (はぁぁ……今日も全然集中できなかった) これまでは「探し人が僕だったらいいのにな」と思ってた。 でも…今じゃ何でそう考えれてたのかがわからない。 (僕だったら、どうしよう) 怖い。 先輩と話ができなくなることが。 〝好き〟という想いを伝える前に、終わってしまうことが。 ーー先輩に失望されてしまうことが……どうしようもなく、怖い。 それくらいのことをあの日したんだという実感はある。 けど…けど、どうしても……… 「おい!王子が倒れたらしいぞ!」 「……ぇ?」 クラスメイトが、慌てたように教室へ入ってきた。 「おい、それどこ情報?」 「隣のクラス。さっきトイレで聞いてさ、今みんな言ってる」 「まじかよ、明後日文化祭なのにやべぇじゃん!」 「大丈夫なのか!?」 ザワリと、周りが一気にうるさくなる。 王子が……明先輩が、倒れた。 「嘘…でしょ………?」

ともだちにシェアしよう!