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14.ぺったんこ
煽ってくれるな、と言うことは、俺はどうしてたらいいんだろう?
橘が色々やってくれるのかな?
「……じゃあ、お任せで」
掌を外してくれたから、顔を見ながら笑って伝えた。
「どこか触って欲しいトコロがあったら言ってくださいね~」
苦笑で応えてくれた。
見た目に反して冗談もイケる派らしい。
最初からボタンなんて一つも閉まってないブレザーは至極簡単に剥がされ、ベストに、申し訳程度に結ばれてたネクタイも抜き取られた。
手慣れてるなぁ…なんて眺める視線の先で、長くて器用な指先がプツリ、プツリとシャツのボタンを外していく。
俺のシャツも汚さないように脱がしてくれるのかな?
「橘も溜まってんの?つか、橘のなら本日2~3回目でも飛びそうだけど。タマもデカいから相当溜め込めそう」
「いや、飛びそうってのもあるけど、目的はこっち」
「ど、っ…ひゃっ」
どこ?って訊こうとした瞬間、思いもよらない場所に手が伸びてきた。
「どっひゃーって…」
………なに笑ってんだお前はぁっ!
「そっちこそ、いきなりドコ触ってんだよっ!」
突然乳首摘まれたら誰だって驚くわ!
「橘は女教師の巨乳が好きなんじゃないんですかー?男の無乳が好きなんですかー!?」
「男の、とかじゃなくて、周防のぺったんこ限定でおっぱいが好きなんだけど」
「───っ!!」
「今は、この控えめで可愛いぺったんこにしか興味無い」
スルリ…サラサラ…
まるで尊いものを愛おしむように、優しく撫でてくる。
言ってる台詞は変態そのものなのに、やたらとイイ声で囁いてくるから堪らない。
ものっすごい口説き文句に聞こえた!ミスリード!
「……ダメ?」
「っっ───!!」
だーーっ!もうっ!!
そんな、淋しそうな大型犬みたいな目で見られたら、いいですよおいでおいで、ってしちゃうだろーがッ!
俺はイヌ、ネコ、ウサギ、ネズミは勿論、ライオンやトラの猛獣に至るまで、毛の生えた動物はみ~んな大好きなんだ!
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