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13.男の夢
「………平気だから、ちょうだい」
橘の太腿を挟んでベンチに膝立ち、赤く染まったそのほっぺにキスを落とした。
俺の言葉一つで顔赤くするなんて、モテ男のクセにわりと初心 ?
腰を引き寄せられて、膝の上にぺたりと座らされる。
んでも、……う~ん…、これ…なぁ…?
「橘、制服ヤバくない?」
「制服?俺の?」
うん、と頷いてみせる。
「シャツの前、開けといた方がいいかも。俺最近ヌイてなかったから、勢い良く飛んじゃうかもよ。汚すんなら肌のがあとあと楽じゃね?」
「!?──~~~っ!!」
あ、橘、絶句した。
もしかして、引かれた?
もしかして…健全な男子高校生って毎日処理してないと変なのか!?
俺、不能だって勘違いされてない!?
「あの、ほら、俺そんなに溜らない体質って言うか!ねーちゃん2人とかーちゃんが家いるから中々そういうコト出来ないじゃん!?それに6時間目もあるし、授業出なくても結局帰り道とかさ、濡れてたら困ると思うんだけど。…あっ!もしかして掛かっちゃうのヤだった?なら俺後ろ向こうか?向こうに飛ぶんだったら迷惑掛かんないから!」
「……ゃない」
「え?」
「嫌じゃないから、こっち向いてろ」
再起動した橘は、いそいそとネクタイを解き、シャツのボタンも外し始める。
飛ばしてもいいって事らしい。
やったー!
やっぱり男ならさ、好きな子に掛けて汚したいって夢は持つもんだもんな!
好きな子が可愛い女の子じゃなくて俺よりデカい男ってのは予定外だったけど。
だからって、好きな子だってのは間違いじゃないし、俺より経験ある分、きっと色っぽく受けてくれるハズ!(おんなじ童貞だけど)
シャツから覗く肌は思った通り筋肉質で、何故だかドキッとした。
ここは同じ男として、カッコいい、憧れる、自分もこの身体になりたい!でいいんじゃないだろうか、俺。
この逞しいカラダに今から抱かれるのね…なんて、そんなこっ恥ずかしいことを女の子みたいに考えちゃってるんだろうか、無意識に。
筋肉の膨らみに指を滑らせると、それは固くデコボコとしていて、だけど肌は思いの外さらさらで気持ちいい。
膨らんだ胸筋にちゅっと唇を押し付けると、下の方で俺にくっついたモノがムクムクと成長していくのが分かった。
「……周防…」
呼び掛けられて見上げると、いきなり視界を掌で塞がれた。
むぅー、と口を尖らせると、ちゅっと一瞬だけのキスを降らせてくる。
……惚れた弱みか、思わず口元が緩んでしまう。
うむむ…、そんな方法で機嫌を取ろうとは、おのれ卑怯者め。
「頼むから、思春期の好奇心で突っ走らないでくれ。そんなに煽られたら、我慢きかなくなるだろ」
「──っ!!」
すごい!
俺も、モテ男、翻弄してた!!
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