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19.緊張と期待

改めて金網に掴まり、後ろにお尻を突き出して立つ。 これって…外からは見えないよな?大丈夫だよね? 心配になって訊ねれば橘は、「誰も見てないから平気だろ。……多分」と微笑みながら言った。 いや、聞こえてるからね、最後の「多分」 声小さくしたから誤魔化せてると思ってるだろうけど、結構耳良い人だから! でも、まあ………橘が平気って言うなら、大丈夫っしょ! 「あっ、ねーねー」 腰に添えられた手にドキッとして、それを誤魔化すように普段と変わらないキンチョーしてないフリで声を掛けた。 「スマタってヤる方は気持ちいいからヤるんだろうけどさ、ヤられる方も気持ちいいの?」 「ん?…どうなんだろうな。やった事無いからな」 やった事無い、って…… そっか。橘も、素股、初タイケンなんだ! 「気持ち良かったら教えてくれる?」 「うんっ!」 返事をすれば頭を撫でられて、いよいよ太腿に太くて熱いモノが宛てがわれた。 ぬるり、グリ、と太腿を割って挿入される。 気持ちいい…かは分かんない。 ただ、すごく胸がドキドキしてる。 その鼓動を確かめるように、長く少し硬い指が胸元を探った。 左胸──ちょうど一番ドキドキ言ってるトコ。 「周防も凄いな。俺も、心臓飛び出そう」 そんな事を耳元で艶っぽい声で囁いてくる橘は、俺からしたらすっごく余裕に見えるんだけど…… 本人の言う通り、そんな事はなくて。 背中にそっと当てられた胸からは、ドキドキドキって俺とおんなじスピードで早鐘を鳴らす音が響いた。 顔を首筋に埋めて、吸いついたり舐めたりされるのが擽ったい。 俺の目の前には、金網越しに見える壁。 だけど、俺より長身の橘の目には外の景色が映ってるんじゃないだろうか? ……それも、もっとドキドキしちゃって気持ち良さそう!………なんて。

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