19 / 25
19.緊張と期待
改めて金網に掴まり、後ろにお尻を突き出して立つ。
これって…外からは見えないよな?大丈夫だよね?
心配になって訊ねれば橘は、「誰も見てないから平気だろ。……多分」と微笑みながら言った。
いや、聞こえてるからね、最後の「多分」
声小さくしたから誤魔化せてると思ってるだろうけど、結構耳良い人だから!
でも、まあ………橘が平気って言うなら、大丈夫っしょ!
「あっ、ねーねー」
腰に添えられた手にドキッとして、それを誤魔化すように普段と変わらないキンチョーしてないフリで声を掛けた。
「スマタってヤる方は気持ちいいからヤるんだろうけどさ、ヤられる方も気持ちいいの?」
「ん?…どうなんだろうな。やった事無いからな」
やった事無い、って……
そっか。橘も、素股、初タイケンなんだ!
「気持ち良かったら教えてくれる?」
「うんっ!」
返事をすれば頭を撫でられて、いよいよ太腿に太くて熱いモノが宛てがわれた。
ぬるり、グリ、と太腿を割って挿入される。
気持ちいい…かは分かんない。
ただ、すごく胸がドキドキしてる。
その鼓動を確かめるように、長く少し硬い指が胸元を探った。
左胸──ちょうど一番ドキドキ言ってるトコ。
「周防も凄いな。俺も、心臓飛び出そう」
そんな事を耳元で艶っぽい声で囁いてくる橘は、俺からしたらすっごく余裕に見えるんだけど……
本人の言う通り、そんな事はなくて。
背中にそっと当てられた胸からは、ドキドキドキって俺とおんなじスピードで早鐘を鳴らす音が響いた。
顔を首筋に埋めて、吸いついたり舐めたりされるのが擽ったい。
俺の目の前には、金網越しに見える壁。
だけど、俺より長身の橘の目には外の景色が映ってるんじゃないだろうか?
……それも、もっとドキドキしちゃって気持ち良さそう!………なんて。
ともだちにシェアしよう!