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玄愛Ⅲー文化祭編ー《雅鷹side》6
哀沢くんは焦る素振りもなくキスを続け、むしろゆっくり腰を動かし突き上げて出し入れをし始める。
「―…っ!」
バカバカ!
早く布団に隠れないとっ!
あぁもう、こんな姿見られたら…
―…ヤバい!
カーテンに人影が近付いてきた瞬間、
「『あー、テストテスト。はーい、どうも。3年の神威綾でっす。いま生徒会の足利槞唯と臨時で総合司会を担当してまーす』」
総合司会をしているアヤちゃんの声がスピーカーを通して放送された。
「『機材のトラブルがあって、直るまで15分はかかるみたいなんで、Dステージ中庭で今から特別に写真撮影しちゃいまっす』」
「え…神威先輩?総合司会は雅鷹先輩がやってたけど代わったのかな?」
その放送に女子たちの足が止まった。
「『男子も女子も先生もお客さんもみんな来てね。てか、会いたいな。ちなみに今日のルイはギャル男。俺はオオカミ男。どっちの男が好みかな?もちろん俺だよな?ルイからも一言』」
「『お待ちしております』」
「『見た目ギャル男なのに硬っ!1組30秒だから30組限定です。指定のポージングもOK♪中庭までいっそげー』」
そう言って放送が終わった。
「神威先輩の写真撮りたい!しかも今日足利先輩めっちゃイケメンだったし、二人で顎クイとかして欲しい!」
「それ最高!行こ行こ」
アヤちゃんの放送を聞いて、女子たちは出ていった。
ファンの子が推し変をする瞬間とはこういう気持ちなのだろうか。
アヤちゃんに顎クイされるの嫌だろうなぁルイちゃん…
人がいなくなりこれでやっと声が出せる状況になると、哀沢くんの腰の動きが速くなった。
「哀沢く…ん、あっ…ん、危なかった、…あっ、バレるとこ、…だったよ…?あっ…あっ」
「俺は別に見られても良かったからな」
ニコッと笑ってるけど凄いこと言ってますよドラキュラ様。
そして哀沢くんは体位を正常位に変えて腰を揺らした。
「実はお前もさっきの興奮したんだろ?もう硬くなってる」
「言わなっ、あっ…いでっ!あっ、ンン、あっ、あっ」
哀沢くんはそう言って俺の足を開き、俺の両手を膝へと持っていき自分で足を持てと合図した。
そして俺を見下ろして、ゆっくり腰を動かしながら言う。
「こんな姿で、保健室で、自分でこんなに足を開いて。自分がイヤらしいの分かるか?」
「あっ、…んっ…!こんな姿、見せられるの…あっ、哀沢くんだけだよ?」
「……」
「あっ、俺は哀沢くんが、…いるから…あっ!ンンッ!み、…満たされてる。心も体もっ、全部っ、あっあっ」
「…マジで孕ませたくなるな」
「欲しい、もっと速く動いて?俺の中に…哀沢くんの出してっ。受精、したいっ」
俺がそう挑発すると、哀沢くんは俺の両足を自分の肩に乗せて奥深くまで入るように体位を屈曲位にして高速で腰を動かした。
「あっあっ!アアッ!お、く…深、いいっ!あっ、ンン、あっ、イイ!あっ、気持ち、い…あっ」
数秒ほど高速で突き、そしてたまにゆっくりな動きをしてこれ以上入りきらない場所まで哀沢くんの硬いモノが俺の壁を進んでくる。
そんな焦らす動きを繰り返され、俺は数秒ごとに快感が溢れてきて気持ちよさがやばかった。
「あっ、アアッ!哀沢く…ん!あっ!気持ち、い…よぉっ!あっ、ンン!あっあっ」
「ここだろ?」
「そこっ、あっあっ、ン…、そ、こぉっ!は、…あっ!」
俺は更に気持ちよくなりたくて、自分のモノを右手で握り上下に動かした。
「あああっ!ん…は、あっ、あっ、哀沢く、ん…イク…イクッ!あっ、アァッ、…イクッ!一緒に、イこ?あっ」
俺がそう言うと、哀沢くんはキスをしながら腰の動きを速くした。
その動きに合わせて俺の右手も速くなる。
「あっあっ!ん…いく、イクッ!…あっ、ん…イクぅッ!イクッ!」
「―…っ!」
俺が絶頂を迎えそうになった瞬間、俺の中に哀沢くんの温かい精液が注がれた。
その温かさに興奮して、俺も果てた。
息を切らして、残りの1滴まで出し終わったあと哀沢くんが俺の耳元で囁く。
「山田……――――――」
耳元で囁かれたその言葉を聞いて、俺は嬉しくて涙が止まらなかった。
行為後お互い乱れた衣服を直し終わると、哀沢くんがうしろから抱きしめてくれた。
ドラキュラに抱きしめられるギャル。
なんだかこの設定もキュン。
「哀沢くんさ、俺今まで女装してたけど何とも思わなかったの?」
「別に。山田が女装してるな、程度」
「そうなんだ…今は?」
「好きなやつが女装してるな、程度」
好きになったら可愛いって思うんじゃないの?
本当に、哀沢くんはクール過ぎるんだよなぁ。
アヤちゃんだったら攻略簡単そうなんだけど、哀沢くんって本当にラスボス。
「やっぱり女装してても可愛いって思わないんだー」
「悪いな…俺は思ってても言葉にする必要性を感じてない。だから言葉が乏しいんだ。特に恋愛は難しくて山田が求めてる回答がよく分かんねぇけど…」
哀沢くんは後ろからキスをして俺を見つめて言った。
「山田が可愛いのは普通のことで、女装していてもしていなくても俺はどんな山田も可愛いと思ってる。それじゃダメなのか?他に何て言えばいい?」
いやもう何なの哀沢くん…
本物のラスボスですか?
こんなの即キュン死にで全滅しちゃう…
「哀沢くん…俺、すっごい嬉しすぎて…死にそう」
俺は振り返って、哀沢くんをぎゅっと抱きしめて嬉しさを噛み締めた。
そういうことは言葉に出してよ、と思ったけど。
哀沢くんは過去のこともあって、人一倍言葉に慎重なんだよね。
だからそう思っててくれてるっていうことが分かっただけでも満足。
「喜ぶのは構わねぇけど、死ぬのはナシな」
「大丈夫。哀沢くんより先には死なないよ」
そうだ、哀沢くんにとって死ぬというワードは冗談でもタブーだった。
「総合司会やってこいよ。ちゃんと責任果たしたいだろ?」
「うん。いいの?」
中途半端なことは嫌いな性格に育て上げられてるから、哀沢くんはそんな俺を理解してくれた。
「あぁ。ここで待ってる。文化祭終わったら一緒に帰ろう」
「あ、じゃあ今日俺んち泊まる?明日休みだし」
「そうするか。パフェ食いてぇし。とりあえずそれまで寝てる」
あー、もう。
めちゃめちゃ甘い大量のホイップクリームのパフェと甘々な俺をあげちゃうよっ。
「嬉しー!司会めっちゃ頑張れる!行ってくるね」
哀沢くんは右手を3回ほど降って、即効寝た。
あれは文化祭終わるまで起きないな。
俺と過ごす夜までに体力回復しておいてくださいねドラキュラ様。
「アヤちゃん!」
「お、雅鷹」
「司会やるからプログラム返して」
「もういいのか?残りも全部やってやるけど」
「ありがとう。もう大丈夫だよ」
「さー、ルイちゃん残りも頑張るよ!」
ちょっとだけ喧嘩しちゃったけど。
もう大丈夫。
「雅鷹さん、元気になりました?」
「うん、充電完了」
普段は言葉で気持ちを伝えてくれない哀沢くん。
俺は不安だったけど、哀沢くんの気持ちも知れて満足。
この後哀沢くんが俺の家に泊まりに来るまでの間にちょっとした事件が起こったものの、最高の文化祭になった。
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