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玄愛Ⅱ≪神威綾side≫1

二人に出会ったのは高校の時。 出会った時から、雅鷹が炯にゾッコンなのはすぐに分かった。 「雅鷹は炯に告白しねぇの?」 「俺は…中学の卒業式に告白してズタズタにフラれたからなぁ…」 まぁ確かに…炯にとって雅鷹はただの親友だなって見てても分かる。 俺が雅鷹と絡もうが、雅鷹が他の男と絡もうが、その目は全く雅鷹を見ていない。 そう思っていた。 「あれ…?先生今日雅鷹と炯は?」 「二人は今日欠席だそうだ」 「へぇ」 いつの日だったか学校に行くと、二人揃って休んだ日があった。 クラスのやつが言うには1度登校して、雅鷹が炯を連れて出ていったらしい。 何かあったのか? 翌日、いつものように二人は登校してきた。 俺はあいつらが話すまで欠席した理由は聞かなかったが、結局話してくる様子は無かった。 ただ、 その日から炯の目が少しずつ雅鷹を追い始めていることに気付いた。 最初は勘違いだと思ったが、違う。 勘の良すぎる俺には分かった。 こいつは無意識に雅鷹を意識し始めている。 冬休みになって大晦日に出掛けようと提案すると、雅鷹から返事が無かった。 これは炯と何かあったんじゃないかという予感がした。 だから年が明けて炯を買い物に連れ出して理由を確認することにした。 「雅鷹と何かあった?」 買い物が終わり、カフェで休息している最中に俺は炯に問いかける。 炯は淡々と、諦めるのを条件に雅鷹を抱いたと話し始めた。 「山田から抱けば諦めるって言われたからな」 「お前それ…残酷だな…」 炯らしくないと思った。 ただ、無意識に炯が雅鷹を求めていたんだろう。 てかもう好きだろそれ。 「学校始まってもちゃんといつもみたいな俺らでいられるように、炯からアクション起こせよ。ほら、電話しろ。友達なんだろお前ら」 「電話っつっても…何話せばいいんだよ」 「んなもんテキトーでいいよ。明けましておめでとうとか、…あぁ雅鷹はめでたくねぇか…元気か?とか」 とりあえず電話をかけさせた。 でも雅鷹と話しをしている様子じゃなかった。 「どこの…病院ですか…?」 病院? 雅鷹に何かあったのか? 炯の顔がだんだん険しくなる。 「山田が10日前に交通事故にあったって…」 「まじかよ!でも無事なんだろ?」 「分かんねぇ…」 「なんだよ、分かんねぇって。もう1回電話しろよ」 炯は電話をかけようとしなかった。 「山田が死んでたら…どうすればいい?」 「死んでたら死んだって言うだろ。大丈夫だから。絶対。雅鷹は生きてるよ。とりあえず病院行こうぜ」 普段の炯からは想像も出来ないほど弱気で。 俺は炯の背中を叩いて励ます。 お前今俺がいなかったらどうなってたんだよ。 カフェを後にしてタクシーを捕まえて病院へ向かった。 受付で雅鷹の面会をしたいと申し出をするも、看護師からの回答は「山田様は面会謝絶です」だった。 おいおい、さすがに死んでないよな? 意識はあるよな? 面会も出来ないほど悪い状態なのか? 「面会謝絶って。でも生きてるんですよね…?」 そんな時、雅鷹の姉が調度俺たちのところに来て病状を説明してくれた。 「よかったな炯。俺このあと舞台の稽古があってもう遅刻しそうだから帰るわ。雅鷹によろしく。また学校でな」 稽古なんて無かったが、雅鷹と二人きりで話して欲しいから俺は帰宅した。

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