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玄愛Ⅱ≪神威綾side≫2

それから数日が過ぎ、3学期が始まった。 付き合ったのか聞くと、仮契約をしたと雅鷹が喜んで話し出す。 仮契約とは…? 「お付き合いの仮契約?なんだそりゃ。聞いたことねぇよ」 「いーのっ!哀沢くんのこと好きでいていいんだから」 「炯も真面目だなぁ。とりあえず付き合えばいいじゃん」 「お前みたいに軽くねぇんだよ俺は」 軽い軽くないの問題じゃない。 炯は気付いてないのか。 お前、雅鷹のことばかり見てるぜ? ある日、雅鷹が俺の腕を引っ張り教室の隅に移動して炯に抱かれないと相談された。 「簡単だろ。お前から襲えばいいじゃん」 「アヤちゃんみたいに軽くないの俺は!哀沢くんが襲ってこないってことは、俺の体に興味ないってことなのかな」 いやだからなんでお前ら二人して俺を軽いとか言うんだよ。 俺は愁弥ラブだぜ? 「もしくは他のやつで処理して満たされてたりしてな?」 笑顔で冗談を言ってやったのに、泣きそうな顔して俯いて。 「そう…なのかな…」 「お…おい雅鷹。冗談だからな?涙を溜めるな」 「魅力無いのかなぁ俺…」 「バカみたいに仮契約とか言ってねぇでさっさと付き合えばいいだろ。めんどくせーな」 普段の雅鷹なら反発してくるのにな。 その気力すらないなんて。 相当病んでるな。 「大丈夫。お前は可愛い。俺が彼氏なら間違いなくお前を抱く」 「アヤちゃんに言われても説得力が無いよぉ」 うーん… お互いに好き同士なんだろうなこいつら。 どうにかしてくっつけてやりたい。 もどかしいから直接炯に言ってやった。 「もうさ、早く付き合えよお前ら」 「山田を好きなのかどうかまだ分からねぇんだよ」 「へぇ」 なーに言ってんだよ。 どうみても好き同士だろ。 「俺からしてみたら、もう炯は雅鷹のこと好きになってると思うぜ。雅鷹が事故ったときのあの表情…雅鷹のこと大切だと思ってなきゃあんな風にならないだろ」 「好きという感情がよく分からない」 こいつは… 恋愛はしたことなさそうなタイプだけど、誰も好きになったことねぇのか? 好きなんて簡単な感情知らないなんて。 まぁ炯らしいけど。 「そんなの簡単だろ。雅鷹がいなくなってもいいのか、よくないか。ずっと一緒にいたいか、いたくないか。他の奴にとられてもいいのか、よくないのか。それだけ」 俺の話しを聞いて、黙り込む炯。 そしてその表情はピンときていない様子。 めんどくせーーーーー!! 「あ、じゃあ俺が雅鷹抱いてみる?嫉妬したら好きってことで。なんてな」 そうか。 その手がある。 これは手っ取り早い! そして叔父の新店の居酒屋の部屋を確保してもらい、みんなを誘った。 炯だけ部員と懇親会だから来ない…だと? まぁ雅鷹は来るって言ってるし、なんとかして計画をたてるか。 こいつらをくっつける計画を。

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