23 / 38
第23話 助けてあげられないかな
「ふぅん、だが僕がそれを相手にする義理はない。自分たちでなんとかすればいい」
ふん! と鼻息荒く言い切って、ラルフはオレの鎖骨を舐め始める。
「ああ、幸せだ……。ビスチェの香りが嗅げないのは残念だけど、視覚と聴覚と全身に感じるビスチェの温もりがあれば充分だな」
ラルフの腰がゆっくりと律動を始めて、オレは焦った。
「あ……っ、こ、こら! 待てって! 娘さんが可哀想だろ! 自分の意思じゃないのにヒートにさせられて苦しんでるんだよ? なんとか助けてあげられないかな」
「どれだけ邪魔されたと思ってるんだ。僕の昂ったままオアズケを食らっているペニスも充分に可哀想だ。耐え切った褒美をもらうべきだと思うが?」
見惚れたくなるくらい真剣な顔なのに、なに言ってるんだよもう……!
「オレが用意できる物ならなんでもあげるよ。だからとりあえず、あの娘さんを助けてあげない? オレ、同じオメガとして可哀想で」
「くそっ……ビスチェの優しさが憎い……!」
めっちゃちっちゃな声で言ったけど、しっかり聞こえたからな。
「絶対に褒美をくれるんだな?」
「も! もちろん! ……って、あっ」
いきなり律動が激しくなった。
「ラ、ラルフ……!」
「この結界の効果は持続できるものか?」
「オレが……そばに、いれば」
「そうか……あまり、男爵にお前を……見せたくないが」
「一緒に夜会に出てるんだから今更……って、ああん……もう、ラルフ……! 真剣な話、してるのに……っ」
咎めるように見上げたら、色気がダダ漏れな顔で微笑まれた。
両脚を持ち上げられて、深く、深く穿たれる。
「あっ、アッ、アッ、ラルフ……!」
「分かった、ビスチェがそこまで言うなら善処しよう」
「ラルフ……!」
オレの歓喜の声に応えるように、ラルフの雄がオレを深く穿つ。
「アアッ!!!」
「その代わり」
「ラルフ……! あ、ひ、だ、だめ……ッ」
ひときわ高くオレの腰を持ち上げ、ラルフが真上からプレスするように腰を何度も打ち付ける。あまりの快感に、もう意味のある言葉なんか出なかった。
「約束は……!」
「ぅッ、…ああぁ、あ、あ、」
「守って……!」
「ひぁ…ッ、アンッ、…んぁっ、」
「貰う、からな……!」
「や、も、っ、あ、アアアンッ、……ア、ア、アーッッ!!!」
もう悲鳴しか出なかった。
自分のナカがキュウっと締まった瞬間、お腹の中が熱くなって、ラルフも放ったんだと分かってしまう。余韻を楽しむように、自分のナカがビクビクと痙攣しているのが感じられて恥ずかしい。
ともだちにシェアしよう!