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阻まれた関係12

 ズボンに手を這わせられる。 「類沢先生にも触られたんだよね」  ビクッ。  嘘だ。  嘘。  雛谷はいつもの屈託のない笑顔で、俺の頬を舐める。 「類沢先生に聞いてきちゃった」  目眩がした。  シャツを捲られ、冷たい手が胸を焦らすようになぞってゆく。  トンと肌をつつかれる度に腰が浮く。  太腿の付け根が濡れている。  認めたくない現実と、早く触れて欲しい欲望が相混じる。  雛谷の指が突起に辿り着く。 「わぁ……もう起ってるね」 「あんッッは……」  ガムテープを外され、口は自由になったのに。  言葉が出て来ない。  喘ぎ声を堪えるだけで精一杯だ。  摘み上げられ、グニグニと押しつぶされる。  上に縛られたせいで両腕を上げている格好が、また屈辱感を逆撫でする。  抵抗も出来ず、体の疼きに従うがままだ。  涙は止まらない。  ピンと弾かれ、爪でつつかれる。 「ふぅ……んんぁっ……あ」  潤んだ視界で雛谷が幸せそうな顔で俺をじっと見ていた。  見るな。  見るな。 「んん……む」  キスされる。  舌を差し込まれ、力無く応える。  唾液はだらしなく口端から漏れる。  グチュ。  あの湿った音が耳にこびりつく。 「ふふ……はっ……そういえばね」  雛谷は俺の下唇を甘噛みして囁いた。 「さっき類沢にキスされたから、これで間接キスになるねぇ」 「あ……う?」 「こっちの話ぃ」  雛谷は頬に手を添えて咥内を貪る。  もう、何も考えられない。  熱い。  雛谷の膝が乗っかってる下半身が破裂しそうだ。  ズボンに手をかけられる。  ヌルリと先走りで滑るくらい、濡れていた。 「瑞希の、かわいい」  握られただけで、また達する。 「あ……あぁ……」  雛谷は躊躇なく白く濡れたそれを舐め、咥えた。 「はぁッあッッ待っ……雛ッッた」  耐えきれない刺激に目が眩む。  腰を引きたくても拘束が邪魔をする。  痛いくらいの快感。  すぐに雛谷の口の中に放ってしまった。  それを飲む音に死にたくなる。 「三回目なのに……はしたないね」  唇を舐めてニコリとする。  だが、表情とは裏腹に乱暴に孔に指を突き入れた。 「がッッ」  口を開いたまま動けなくなる。  唾液が胸元に垂れる。  グチュグチュと掻き回す音。  再度口を塞がれる。  クチャ。  全部が濡れてる。  空気すら。 「あぁああッッ」

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