217 / 238

晒された命33

 白い道を駆ける。  着いた先から落ちていく道。  後戻り出来ない。  俺は叫びながら走った。  無力感と、喪失感に。 「うわぁあああああっっ!」  胸の痛みなんて気にも留めず、大きく腕を振り、地を蹴った。 ―瑞希ちゃん、大好きだよ―  息が切れるまで叫ぶ。 ―お兄ちゃんのこと、恨まないであげて。きっと瑞希ちゃんは、もう赦してるけどね―  肺が悲鳴を上げる。  体中の全てを吐き出す。  叫ぶ。  叫ぶ。 ―またね、瑞希ちゃん― ―ううん― ―ばいばい―

ともだちにシェアしよう!