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認めたくないこと18

 それを追いかけて首筋に顔を近づける。 「ふっ、あく」  軽く舐めただけで忍がびくんと跳ねた。  そのまま舌を這わせ、指を抜いた唇に重ねる。  緩く空いた口は簡単にオレを受け入れた。 「ん、む」  あの修学旅行の時とは温度が違うキスに快感が背中を駆ける。  忍の手を解いてその頭と体を抱きしめて貪る。  制服のボタンがカチカチとぶつかった。  お互いの足が擦り合わさる。  忍はオレの両肩を掴んだが、押し上げる気力もないのか、ただ縋り付いているだけだった。 「は、あっ、んん、は」  空気を求めるように何度も喘ぎながら。  ぽろぽろと涙を流して。  最後に食むように下唇を吸って離れたオレをそっと見つめる。 「はあ……あっ」  ただ息を整えて。  その乱れた髪を梳き、毛先をくっと引っ張る。  忍は反応もせずにずるりとしがみ付いていた腕を下ろした。  それからやっと視線を逸らせる。  何度か瞬きをして、息を吐いた。 「……拓」 「なに」 「水、欲しい」 「熱いの? 冷たいの?」 「氷入ったやつ」  オレはすっとベッドから降りた。  持ってきたカップはそのままに、キッチンに向かう。  まるで、この数分が無かったかのように。  すたすたと。  けど、体は芯から熱くなっていた。  水道水を勢いよく注ぎ、氷を何個も落とし入れる。  撥ねた水が腕にかかった。  その冷たさが刺さるように痛く響いた。  戻ると忍は髪を結んで、床に片膝を立てて座っていた。  オレに気づいて緩慢に顔を上げる。 「はい」  受け取ろうと手を伸ばした忍の腕を引き寄せ、グラスの中の水を口に含んでから唇を重ねた。  顎に手をかけ上向きにして咥内から水を伝わせる。  飲み切れずに零れた液体が音を立てて床に落ちる。  ポタポタと。  不器用な音を奏でて。  忍は無抵抗に手を下ろしたまま、コクコクと水を飲んだ。  コップの中の水が無くなるまで何度も口移しをする。  段々慣れて来て、最後は一滴も零さずに忍が飲み込んだ。  ゆっくり顔を離すと、忍が立ち上がってベッドに戻った。  布団を肩までかけて、壁の方に寝返る。  もう、泣いていなかった。 「電気、消してくんねえか」 「寝るの?」 「……ああ」  カチリとスイッチを押す。  部屋は闇に包まれた。

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