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超絶マッハでヤバい状況です24

 最初異変に気づいたのは、類沢ではなく紅乃木だった。 「最近の銃は重みが違うのう」 「口径もな。爺さんにゃ扱いきれねーんじゃねえの?」 「遊びで向けるのよしてくれません?」  吟や空牙たちが奪った銃を眺めるのを横目に、瑞希の不在を不審がる。 「みぃずき、遅くない?」 「え? あぁ、確かに」  千夏も玄関に目を遣る。  それを見咎めた類沢が席を立った。 「瑞希はどうしたの」 「大分前に酔いを醒ますって外に出たんですけど……」  騒ぎを感じ取った雛谷達も集まる。  すぐに全員が状況を理解した。 「類沢さんっ、もしかしたら……あれ瑞希さんの声だったかも」  そんな中でイヤホンを握り締めた三嗣が手を上げた。  この人数での発言は初だった。  NO.に入った者しか許されないが、今は店じゃない。  勇気を振り絞って、三嗣は自分が聞いた言葉を復唱した。  バタバタ。  小さな扉からスーツの男が次から次へと飛び出して来る様は、端から見たら異常だろう。  だが、構う者はいなかった。  シエラのホスト。  スフィンクスのオーナーと息子。  シャドウの二人。  雛谷と如月も。  全員が路上に出て周囲を探した。 「類沢さん!」  一夜が叫ぶ。  その手には、全員に配られたあのイヤホンがあった。 「攫われたってことか」  最後に店から出てきた篠田が冷たい声で言い放つ。 「……秋倉?」 「いや、類沢。今回呼び出して応答がなかったのはどこだ」  張り詰めた口調に空気も重くなる。  類沢はイヤホンを一瞥して記憶を探った。 「来るはずだったのは……ガーデンの連中だ」 「ガーデン? なんであんな奴等」 「よせ、空牙」 「あんな奴等?」  類沢が空牙に迫る。  その背後で篠田が溜め息を吐いた。 「噂は本当だったな」 「ナニ?」 「ガーデンは最近、ガヴィアと組み始めたって噂だ」  それが何を意味する。  類沢は口を開く前に思いだった。 「名義屋が出入りしていた……あのガヴィアと?」 「そういう訳だ。今回秋倉に口を割らせる時間が無かったが、秋倉自身は名義屋じゃない。裏幕はそっちだってことだ」  しかし疑問だらけだ。 「なんで、みぃずきを?」  包帯を押さえながら紅乃木が困惑した声で言う。 「おやおやおや……あんなに派手に噂が流れているではありませんか?」

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