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第16話 【佐々木視点】快感を高めたい

それでも宮下の口から「気持ちいい」って聞きたい。 なのに宮下は必死で首を横に振って答えてくれなくて、それなら、とカウパーが溢れ出ているそこを押し留めるようにぐりぐりと虐めてみる。さすがに気持ち良さに屈伏したらしい宮下は、悲鳴のような高い声で啼いてくれた。 「ああっ……佐々木っ……ダメ……っ、ムリ……っ!」 「声、可愛い」 ひとことポツリと言ってみれば、宮下は慌てて両手で自分の口を押さえつける。 自然と両手を封じられた事にも気付かず快感に身を捩るその姿は、これまで脳内で思い描いてきた想像の何百倍もの威力だった。 運動部にも所属していない宮下の体は、まだ細くて柔らかい。俺よりもさらに大人になりきれていない発展途上の体には、なんともいえない色気があった。 そのうなじに舌を這わせ、背筋や肩甲骨の窪みを舐める。 今まではどんなに触りたくても偶然を装ったソフトタッチしか出来なかった宮下の肌。こんなにも直接的に触って、舐めている事が信じられない。今のところ、俺の計画は心配になるくらい順調に進んでいた。 「……っ、ふ……っっ」 舐められる度にピクン、ピクンと体が反応するのが嬉しい。特に肩甲骨の窪みを舐め上げた時のそった背中は垂涎モノで、俺のペニスは痛いほど張り詰めていく。 だけどいまは宮下を快感で追い詰める方が先だ。 宮下のペニスの根本を左手できつく握りしめたまま、俺は右手で乳首を弄る事にした。 さっきの会話で宮下がAV鑑賞会に参加していても、誰ともこういう経験を共にしてはいないという事がハッキリした。いよいよ宮下の……誰も触れた事がない乳首に触れるのかと思うと感慨深い。 スウェットの下の方から手を入れて、まずはいきなり乳首をキュ、と摘みあげる。 「ひ……ッ」 宮下の喉の奥から、引きつれたような声が漏れた。 一度強い刺激を与えて刺激を拾えるようにスイッチを入れてから、あとは指の腹を使って羽根先で柔く触れるように優しく優しく乳首の先を愛撫する。 首筋や耳の穴に舌を這わせながらしばらくはそのフェザータッチを楽しんだ。それだけでも宮下の腰はもじもじと動き始め、密着している俺のペニスにも快感が走る。 ……もしかして、俺の硬くなったペニスに自分の睾丸を押し当てて、快感を得ようとしているのか? それなら宮下の要望に是非とも応えなければ。そう思って未だ下着の中で張り詰めているペニスを擦り付けるように腰を動かしてやる。案の定気持ち良さそうに宮下の背中がのけぞって、俺の胸に背中を擦り付けてでもいるかのように身悶えている。 「ん~~~っっっ」 口を必死で抑えてるのに、声出ちゃうのが可愛い。良かった、もっと気持ち良くなって欲しい。 目の横で宮下の喉が白くのけぞるから、思わず口付けて舌を這わせた。背中よりも柔らかくて、肌の肌理が細かいのかしっとりしてる気がする。 宮下が声を我慢すれば震えて、唾を呑めばコクンと動く。息をするのにさえ収縮する喉も、まださほど目立たない喉仏も健気に絶えず動いていて、愛しくて愛しくて舐めるのをやめられない。 夢中で舐めていたら、宮下の手が俺の頭に弱々しく回された。 俺の髪をかき回すように一貫性なく動いていた宮下の手が、助けを求めるように俺の髪をクシャっと握りしめる。その手は少し震えていた。 「嘘だぁ、なんで喉まで気持ちいいんだよ……」 信じられない、とでも言いたげな声。でも気持ちいいなら問題ない。 「んあぁ……佐々木、も、舐めるのヤダ……」 蕩けた声を出してる割に、やめて欲しいと訴える宮下。まだ舐めていたいけど、まぁでも喉を舐められるのは気持ちいいとはっきり認識してくれたみたいだから、次に行ってもいい気がする。 「ん、分かった。じゃあ今度はこっちを気持ち良くするね」 素直に宮下の要望を聞き入れて、俺は親指と中指で宮下の乳首をキュッと摘み上げた。そして無防備なその先端に人差し指の先をグリグリと押し当てる。 「ふぅ……ッ」 抑えきれない喘ぎが漏れた。宮下の足が擦り合わされて気持ちいいのだと伝えてくれる。宮下は乳首も充分に快感を感じとれているようだ。 「や……や、あ……っ」 俺の手を止めようと、宮下の手が服の上から胸のあたりを押さえる。もちろんそれくらいじゃ宮下の慎ましい乳首を可愛がるの何の支障もない。 ああ、服を脱がせてからこうすればよかった。 この服の下では宮下の乳首が俺の指に翻弄されて様々に形を変えているんだろうと思うと、それを目に焼き付けられないのが残念でしょうがない。無念だが、今日は自分の欲よりも宮下を気持ち良くさせるのが主の目的だから。 自分に言い聞かせつつ、俺は丹念に乳首とその周辺を愛撫した。 俺の手をどかそうと頑張っていた宮下の手は、いつの間にか縋るように俺の手をさすっていた。 なんだこの健気な動きは……! 「宮下……可愛い」 その仕草に勇気を得て、俺はそのまま乳首を思い切りクニクニと捏ね、中央のへこみに指先を押し当てた。

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