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02 男性の乳首露出は禁止です

市長指示事項:  ・我が市は、男性の風紀の乱れを下記の通り改善する。 1)公共の場での男性の乳首の露出禁止。女性と同等な扱いとする。 2)乳首以外の上半身の部位(胸筋、腹筋等)は、特に既定しない。 以上。 **** 空前の男性向け『見せブラ』のブームが到来した。 女性向けと違い、カップが不要の為、形、色、デザインが多彩で、個性的なモノが数多く出回るに至る。 お陰で、シャツの大胆なボタン開け、切り込みの大きいVネック等、今までにない、胸筋、腹筋など男の体があらわになる大胆なセクシーファッション流行するようになった。 市内のとある大学のキャンパス。 一人の男が、その仲間の元に現れた。 「おー、すごいな、陽平! その見せブラ、カッコいいじゃん!」 「だろ?」 「さすが、陽平だな!」 由比賀 陽平(ゆいが ようへい)は、さりげなく胸を突きだす。 白いシャツの間から、鍛え上げられた胸筋が見え隠れし、そこに張り付くSM風革ベルトの見せブラが存在感をアピールしていた。 陽平の体型は、着やせする細マッチョ。顔もそこそこ整っており、お洒落なモテ男として合コンでも人気が高い。 付け加えて、流行ファッションに敏感で、こよなく見せブラを愛する男。なのだが、それには理由があった。 (本当に見せブラがブームになって良かったぜ! 俺、よくわかんねぇけど、昔っから男の乳首のもろ出しはエロいって思ってたからな。特に夏だ。男友達の乳首で何度アレのお世話になった事か分からねぇ……今じゃ、男に欲情すること無くなったから、マジ助かったぜ!) そして、陽平は、最近出会った、自分と同等、いやそれ以上の見せブラの着こなしをする男の事が気になっていた。 **** (あ、いたいた。あのお兄さんが乗ってきた……スタイルよくてカッコいいから直ぐに分かるぜ) 通学で使う電車の中。 途中駅から社会人風の男が、乗り込んでくる。 今日のスタイルは、黒のジャケットに、黒紐レースで乳首をピンポイントで覆うセクシーブラ。 (うっ、インナー無しでジャケット直だと!? その手があったか……マジかよ、エロかっこいいぜ) 当然の事ながら、男の見せブラは、ベースとなる肉体はしっかり鍛えたマッチョであるほど、美しく映える。 その男は、陽平より一回り背が高く、厚い胸板に、シックスパックの腹筋で、陽平と同じく着やせする細マッチョである。 (ふう、今日もいいもの見させてもらったぜ……) 陽平は、密かにその男をライバル視し、時には師匠として崇めていたのだ。 **** ある日。 いつものように、お兄さんを電車で待ち受けると思い掛けない事態に遭遇した。 (や、ヤバいだろ、これ。お兄さん、見せブラ、付け忘れてねぇか?) それは、シースルーのボタン無し着流しシャツで、風で前がはだける度に、乳首がチラ見えしてしまっている。 陽平は、急ぎ、お兄さんの近くまで移動し、声を掛けた。 「あ、あのすみません」 「ん? 私の事かな?」 「はい」 陽平は、お兄さんにそっと小声で事情を話した。 すると、お兄さんは、慌てて腕で乳首を覆った。 「……ああ、ブラを忘れるなんて……これは、恥ずかしいな……」 「大丈夫っすよ。他の人に見えないように、俺の体で覆って隠してますから」 「本当に? 悪いな。でも、ありがとう……」 「いいえ」 陽平は、お兄さんの正面に立ち、他の人から見えないようにガードするようにした。 しかし、お兄さんは、陽平の頭一つ分背が高い。 だから、丁度、陽平の目線に、お兄さんの乳首が入る事になった。 (ちょ、ちょっと待てよ。これって、ヤバくないか? 俺、理性、保てるかな……) 綺麗なピンク色の乳首。 それに、改めて筋肉質のいい男の体が目に映る。 (だ、大丈夫だ……見なきゃ、変な気持ちにならなぇはずだ) しかし、好奇心には抗えない。 (やばい……綺麗すぎるだろ……な、舐めたい。お兄さんの乳首。この衝動どうしたらいいんだ。くそっ) その時、キキーと、電車が急ブレーキを掛けた。 車内にお詫びのアナウンスが入る。 しかし、陽平の顔には、ちょうどお兄さんの乳首が当たっていた。 男の胸板に咲く小さなつぼみ。 プツン。 陽平の頭の中で、ブレーキが壊れる音がした。 陽平は、脳死のまま、お兄さんのシャツをめくり、赤ちゃんのように、そのつぼみに吸い付いていた。 「き、君! いったい何を!?」 お兄さんは驚いて陽平を見る。 「はぁ、はぁ、すみません……あまりにも美味しそうな乳首だったものでつい……ちゅぱ」 「や、止めなさい……あうっ、だ、ダメだよ……こんな事をしちゃ……」  陽平は、すみません、すみません、と何度も連呼するが、一向に吸うのを止めない。 むしろ、お兄さんが感じているのを愉しんでいるかのように、薄笑いを浮かべた。 (やばい……お兄さんの乳首、こんなに勃起させて、めちゃくちゃ感じてるんだ……ふふふ、最高だぜ) 「うっ、あうっ……」 お兄さんは、自分の喘ぎ声が漏れないよう、サッと口に手を充てた。 その行為がまた、陽平の征服欲を刺激する。 (お兄さん、快楽に堕ちるのを必死に耐えてるんだ。可愛いっ。でも、ダメですよ、俺は許しませんから、ふふふ) エスカレートしはじめる。 陽平は、お兄さんの股の間にぐいっと自分の脚をねじ込ませ、勃起した自分の股間をお兄さんの股間に押し付けた。 固いもの同士を擦り合わせて、互いの興奮を高めていく。 カチャ、という音と共に、お兄さんのベルトは緩み外れた。 お兄さんは、ズボンがずり落ちないよう、必死に手で抑えようとした。 「……な、何をするんだ……こ、こんな所で……」 「大丈夫ですって……俺に任せて下さい」 陽平は、お兄さんの手を払いのけ、パンツの中に手を滑り込ませた。 まずは、金玉をむぎゅっと鷲掴みにし揉みしだく。 お兄さんは、口から絶叫が飛び出しそうなのを、手の甲を噛み間一髪防ぎきった。 (……へぇ、お兄さんって感じ易いんだ……じゃあ、こっちもかな) 陽平の手は、そのまま、奥へと進む。 男の秘部に到達すると、お兄さんは、体をビクンと震わせた。 「た、頼む……そ、そこはダメだ」 陽平の耳元で囁かれる。 「そうですね。でも、俺、もっとお兄さんが感じる所、見てみたいんですよ」 「……なっ、止めろ……うぐっ」 指がメリメリと、お兄さんの体内に入っていく。 中は、ぬるぬる、ぬめぬめ。温かい肉壺。 陽平の指を歓迎するように、きゅっ、きゅっ、と締め付ける。 「なんだ、お兄さん。もう、出来上がってるじゃないですか?」 お兄さんは、恥ずかしそうに真っ赤な顔をして、首を横にぶんぶんと振った。 歯を喰いしばる事で、喘ぎ声を防いでいるので、声を出せずにいる。 (やばっ……このお兄さん可愛いすぎ。俺のドS魂が爆発しちまうぜ……)   乳首の先端を甘噛みしつつ、指をシュッシュと高速に出入りさせて感部を擦っていく。 お兄さんは、額に汗を浮かべ、快感に抗おうと必死な表情。シャツの襟を噛み、うー、うー、と唸る。 (最高っ……俺、もう止まんねぇよ……こんなの) 陽平はついに、自分のモノをチャックを開けて取り出した。 パンパンになるまで見事に勃起している。 それをお兄さんのモノとピッタリと合わせ、シコリはじめた。 (うほっ、亀頭、ぷりっぷりだぜ。擦れ具合最高っ! どっちの我慢汁か分かんねぇけど、滑りも最高かよ!) さて、このまま、挿入しちまうか。 陽平が、そんな事を思った矢先、車内アナウンスが流れた。 次の駅へ到着を伝えるものだった。 陽平は、そこで理性を取り戻した。 ゆっくりと、大事なものをしまう。 (ふぅ、ヤバかった。アナウンスがなかったら最後までやってたぜ。ホッとしたような、惜しかったような……) **** 二人はホームのベンチに座った。 まずは、お兄さんが怒り口調で言った。 「まったく! ちょっと、強引すぎるぞ。君は……」 「すみませんでした。俺、つい……」 陽平は、軽く頭を下げた。 「……まぁ、もとを正せば、私がブラをつけ忘れていたのが悪いんだからな……君だけを責められないが」 お兄さんは、改めて腕で胸を覆いながら、はぁ、と深いため息を付いた。 「で、君の名前、何ていうの?」 「俺は、優雅 陽平。大学生っす」 「へぇ、陽平君か。いい名前だね。私は、雪路 美奈斗(ゆきじ みなと)。近くで会社勤めをしている」 「美奈斗さんですか。カッコいい名前っすね……」 少し打ち解けて心を許し始めた美奈斗は、陽平に笑顔を向けた。 「そうでもないさ」 (うっ、よく見ると、この人……めちゃ、俺好みのクールイケメン。やばっ、俺、こんな人のあそこに指入れてたのかよ……今になって、ドキドキしてきた) 「あ、あの美奈斗さん……俺、この近くで見せブラのいい店知っているんすけど。もし、よかったら一緒にどうです?」 「ありがとう、悪いね。確かに、このままじゃ、恥ずかしいもんな……」 美奈斗は、考え込んだ。 「でも買い物の前に……あそこ、いかないか?」 「あそこ? あそこってどこです?」 「そ、それはな……ほ、ホテルだ! し、仕方ないだろ? 体が火照って、いてもたってもいられないんだ」 そして、恥ずかしそうな顔で、ハニかむ。 「君のせいだぞ! 責任とれよな、陽平君!」 (うわっ……何て可愛い人なんだ……やっぱ、このお兄さん……俺のどストライクすぎるっ) 「は、はい! もちろん! 俺もガチガチに勃起しちゃって……治りそうもないんで……是非!」 それを聞いた、美奈斗は小首を傾げてにっこり笑みを漏らした。 「私は、なんだか、その……陽平君の事、気に入ってしまったようなんだ」 「俺も、美奈斗さんに恋しちゃいました!」 「くすっ。可愛いね。君」 「そ、そうですか?」 (でも、可愛いのって、絶対、美奈斗さんのほうっすよ……) 「ん? 陽平君、今何か言ったか?」 「え? い、いいえ」 美奈斗は陽平に手を差し伸べた。 陽平はそれを受け取り、固く握った。 それは、指を一本ずつ絡ませた恋人繋ぎ。 「さぁ、いこうか。陽平君」 「ええ、美奈斗さん」 恋が始まったばかりの二人の男は、そのまま街の中へと消えていった。

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