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番外編 起こさないで

「あー、気持ちいい。ずっとこうしてたい。な、梓」 「は、早く、抜いてっ」 「無理。最近シてなかったせいで溜まってんだよ」 「うぅぅっ」 梓はやっぱり志乃は最低のクズだと思いながら、けれど志乃のことが好きなので大きな抵抗はしないでいた。 それに気を良くした志乃は梓の耳を舐めて、耳朶に噛み付く。 耳に直接聞こえてくる水音だけで敏感な梓は胸をドキドキさせる。 「はぁ……梓、気持ちいい?」 「んっ、い、いい、気持ちいい……」 そしてそのうち蕩けきった梓は素直になって、志乃は嬉しくてゆっくりと腰を打ち付けながら、項に唇をよせキスマークをつけた。 「ぁ、志乃、そこぉ」 「ああ。ここだろ。ゆっくりされるのと激しくするのどっちがいい?」 「あぅぅ……ゆ、ゆっくりぃ……」 前立腺を擦って中に入り奥の壁に先端を強く押し付ける。その動きをゆっくりねっとりと繰り返し、梓は口が閉じられなくなって涎を零しながらアウアウと意味を成さない言葉を落とした。 「はぁっ、ぁ、イッちゃうぅ……!」 「ん、俺もイく」 シーツを指先が白くなる程強く掴んだ梓は、足をピンとさせて絶頂する。精液は出なくて、ガクガクと大きく震えているところを、同じく絶頂した志乃に抱きしめられる。 ゴム越しに射精した志乃は息を荒くさせて、震える梓を抱きしめながらゆっくりとペニスを抜いた。 抜いたと同時に、梓はぷしゃっと潮を吹いて枕を濡らす。 「あ、ぁ……また潮、吹いちゃっ、た」 「吹きやすい体質なんだろ」 志乃は梓が可愛くて、ゴムを処理したあと顔の傍まで移動して背中を屈め、優しくキスをした。 「ん、ふ……」 「あー、可愛い……。もう一回いい?」 「無理、無理無理!どうしてもって言うなら口でする……!」 「……じゃあ明日に取っとく」 「明日……?」 梓は信じられないというような表情で志乃を見つめていたけれど、志乃はそんな梓が信じられないというふうに軽く目を見開いた。 「明日も寝てたら起こすから」 「ッ!最低!絶対起きて阻止する!」 そう言って怒った梓だけれど、翌日、いつの間にか寝てしまったところを、同じように志乃に起こされるなんて今はまだ思ってもいなかった。 了

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