この世には赤と青の二種類の糸が存在する。裁縫に使われるような糸じゃない。なぜか俺にしか見えない不思議なもの。 小さい頃からずっと見てきた。ずっと、ずっとーー…… 父さんと母さんの糸は青かった。 赤い糸は結ばれる運命。だけど、青い糸は結ばれない。結婚出来たところで破局に終わる。 2人は最初は赤かったが、いつの間にか青くなっていた。 元から青い糸で結ばれていると一生不仲。俺が糸の色が変わったのを見たのはそれが最初で最後。 激しい言い争いに暴力、小さかった俺は2人に怯えていた。結局は離婚して、母さんが俺を連れて家を出た。糸を見るのが怖くなった。2人みたいに誰かが不幸になるんじゃないかって。だから小中学生の頃は内気で誰とも話さない、関わらなかった。 離婚した後もビクビクしながら暮らしていたけれど、大きくなるに連れて気にしなくなったと思っていたが恐怖を無理やり狭い心に押し込んでいたことに最近気がついた。 考えてたって仕方がない。どうせ未来なんて変えられないんだから。 中学生の後半からはだんだん人と話せるようになってきて、押し込んだ恐怖を思い出さないように周りにキツく当たったりするようになった。 付き合って一つになった瞬間糸は紅く、そして強く光る。 簡単に言うなら夫婦関係になる準備ができたということだと俺は思っている。 ▱▱▱▱▱▱ ▶︎Profile 《受け》 ⚫︎小鳥遊尊(たかなし　みこと) 高校2年生。 ⚫︎ツンデレで、キレやすい ⚫︎身長159㎝ ⚫︎甘党 ⚫︎黒髪黒目で、目は大きく、吊り気味。ストレート髪。 《攻め》 ⚫︎桜庭琥太郎(さくらば　こたろう) 高校1年生。 ⚫︎尊に対しては時々意地悪だが、学校では基本優しいし、顔がいい為王子様として有名。 ⚫︎身長180㎝ ⚫︎料理、お菓子作りが得意 ⚫︎茶髪で、目は透き通った明るい茶色。癖っ毛。