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第3話

「……そうか……。でも、さ。やめてもまた会えるんだろ?」  俺のその問いに津島は首を横に振った。 「もう会えないんだ」  その返事に俺は飲みかけのお茶のペットボトルが凹むくらい強くペットボトルを握りしめていた。 「どこか、遠くに行く、とか?」 「……うん」 「でもさっ……遠くったって絶対会えない訳じゃないだろ? 何処に行くか知らないけど頑張れば会えるだろ?」  なんでこんな必死になってるんだ、俺は。  沢山いる友人の一人が何かの事情でもう会えなくなるだけじゃないか。よくある話だ。  俺の必死さに津島はまた俯いてしまった。そのまま沈黙が訪れて蒸し暑かった部屋がやけに寒く感じた。 「俺ね、佐伯に言いたい事があって会いに来たんだ」 「あ……何?」 「うん、あのね、一年の時に噂が流れただろ?」 「……ああ、あれね」

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