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第11話
若い事もあって進行も早く、余命宣告は直ぐだった。
その日から津島は身の回りの整理を始めたらしい。いらない物は処分して、必要な物だけで生活をしていた。
自分が死んだ後に連絡をして欲しい人のリストを作り、死んだ後の物は処分する様にと母親に頼んでいた。
俺の名前はリストの一番上に書かれていた。
津島の母親はせめて最後を看取って欲しいと俺に連絡をして来た。けれど、俺はその時部屋を出ていく津島の後ろ姿を見ながら意識を失っていた。
まるで呪いのように俺は今も津島の想いに囚われたままでいる。
肌に纒わり付く汗のようにベッタリと――。
あの蒸し暑い夏の夜に囚われままそこから動けないでいる。
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