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第3話 いちゃいちゃ、したくなっちゃって(7)★

(ああ、駄目だ――犬塚のここに、ぶち込んでやりてェ)  ぐっ、とズボン越しに指を食い込ませてみる。犬塚が息を呑む気配がしたが、構わずグリグリと押し当ててやった。  指一本でさえ受け入れるのがやっとだろうその場所に、自分のものを捻じ込む想像をするだけで興奮してくる。  不破は熱に浮かされたような面持ちで犬塚を見下ろした。彼は耳まで真っ赤になって震えている。怯えさせてしまっただろうか、と思ったのも束の間、 「せんぱい、それやだっ――ヘンな気分に、なっちゃいそう……」  上目づかいに見つめてくる瞳が熱っぽく潤んでいる。どうにも欲情しているようにしか思えなくて、不破の理性もいよいよ限界だった。 「……ンな顔されたら、止まんなくなるだろうが」  次の瞬間には、犬塚の体を畳の上に押し倒していた。  この可愛い後輩を自分のものにしたい。そんな欲求がどんどん膨れ上がってくる。  きっと今、自分は獣のような目つきをしているに違いない――自覚しつつも、己を抑えることなんてできなかった。 「なんだ、犬塚も勃ってんじゃん。エプロン押し上げてんの、えっろ……」  知らずのうちに犬塚の股間が膨れていて、不破は無意識に舌なめずりをした。興奮しているのは自分だけではないらしい。 「せんぱ……っ」  指先で犬塚のものを突いてやれば、彼は恥ずかしそうに顔を逸らす。 「ガキみてェな可愛い顔して、いっちょ前にエロいよなお前って」 「んっ……え、えっちなんかじゃ」 「なに言ってんだよ。こんなにしちまってさ」  言いつつ、布地を押し上げるそれを揉みこんだ。少し刺激しただけでも犬塚は反応を示し、不破もまた煽られていくのを感じてならない。 (こんなに煽られて我慢できっかよ……)  と、堪らず不破が覆いかぶさろうとした――そのとき。 「兄ちゃん! 由衣が図鑑返してくれないーっ!」 「ちがうもんっ、ゆいにくれるって言ったんだもん!」  ガラッと勢いよく襖が開いて、居間に弟妹が飛び込んできた。  不破と犬塚は、突然のことにぎょっと目を剥いて硬直する。身を離す余裕などなかった。 「……兄ちゃんたち、何してんの?」 「「ぷ、プロレスごっこ!」」  二人で声を揃えて答えた。直後、互いに気まずそうな表情を浮かべる。 (ああクソ! チビどものこと忘れてた!)  結局その夜は寮の門限も近づいていて、それ以上の行為はできなかった。まだ焦るときではない――そう不破は自分に言い聞かせるのだった。

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