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dear09
「ゆっくりほぐしてあげるから……力抜いて」
太腿を撫で上げるように手が這う。
少しずつ捲られてゆく裾の隙間から冷たい風が流れ込む。
ざわざわとした緩い快感。
「せん、ぱ……ちょっと待って」
「やだ」
口角を持ち上げ、亜廉は前かがみになる。
「苦しそう。凄く卑猥なんだけど」
タイツに押し付けるように上を向いた中心。
先をつつかれ、羞恥に唇を噛む。
「ふッッ……うぅ」
爪を立てたかと思うと、布地を裂く音がした。
急に解放され、一気に射精感に襲われる。
眼をぎゅっと瞑って耐える。
「出しちゃえばいいのに。我慢してこんなに濡らして……」
「ひ、いあッッ」
うそ。
嘘だ。
熱い舌がぬるりと舐め上げる。
それから柔らかい唇に吸い上げられた。
じゅる。
チュク。
音が響く。
「はッッ、やだ……んんッ。もう、やめッあああッッ」
止まることのない愛撫に体がついていかない。
視界が白く染まり、俺は先輩の口に出してしまった。
チュプ。
濡れた口から赤い舌が覗く。
「せん……ぱ」
ゴクリ。
俺の目を見ながら、亜廉は飲み下した。
かあっと顔が熱くなる。
「さっきはイかしてあげてなかったからね。龍」
妖しい笑みに捕らわれる。
手についた液体も舐め取り、喉が上下する。
俺はただ震えて見るしかなかった。
唾液を絡ませた指がそこに触れる。
「んんッ」
傷つけないように、そっと入ってくる。
でも俺の体は異物を拒絶してしまう。
「い……たッ」
「龍、顔上げて」
「え?」
すぐに口づけされた。
さっきよりも、ずっと優しく。
溶け合うような。
その舌遣いに頭がぼーっとしてくる。
指が動いても、今度は痛みより快感が勝った。
「ん、ふ……」
そこだけ裂かれたタイツにメイド服なんて。
はたから見たら淫乱そのものだ。
俺は自嘲気味に笑って先輩に応える。
「はッッぁう」
二本目が奥を探る。
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