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第13話
あの夏が過ぎ去り、7年後。
マウンド上に立つ矢倉の勇姿をこの位置で見て、球を受け止めることは俺の新たな夢だった。
なんとかプロに入ったが、チームは違ってしまってバッテリーを組むことはすぐに叶わなかった。
しかし、全日本に選ばれたことで夢がやっと叶ったのだ。
対するはキューバ。ここで、負けたら予選リーグ敗退になる。
2対1の攻防戦。
あの高校最後の夏を思い出すような、満塁、ツーアウト、追い詰められたフルカウント。
もっと俺は、これからもオマエの球を受け止めたいよ。
だから、俺は人差し指を1本地面に突き刺す勢いで終わりにしないためのサインを出した。
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