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3話

「ふぁあ、眠い。また新しい人来たんだ。名前はー?」 「……水瀬」 「名前は?」 はぁ?めんどくせー、今言ったろ。 「みな、」 「下の名前聞いてるの」 そう言った男の雰囲気は豹変して、あまりの怖さに「光太、」と呟くと再び嘘くさい笑顔を貼り付けて笑った。 「光太ね、よろしくー」 ドクンと高鳴った心臓が落ち着きを取り戻そうとしている。 初日に関わらず俺を組み敷いた御影、雰囲気豹変男の志乃、あとなんか寝起き悪そうなやつ紘。……なんかまともな奴いなくね? その後、志乃が出て行き、最後の紘も家を出て行く寸前「帰ってきたら体貸せ」なんて訳の分からない事を言い残して出て行った。 まともな奴らじゃないからな、多分。まともに相手するだけ無駄だ。こういうのは無視するに限る。 そして俺はリビングに戻って部屋を見渡し、ヨシッと気合を入れた。 この部屋めちゃくちゃ汚いんだよな…。 足の踏み場がかろうじてあるくらいの散らかり方。俺は三人が帰って来るまで、袋を持ちひたすら要らなさそうな物を捨てるという作業をしていた。

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