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第16話 その身に刻まれた呪いとは……

「最早お気づきでしょう」  影が伸びた。  月の袂で蒼く、腕を伸ばして、地上に伸びた影は、星々の光を消す。 「私は世界を敵にまわす。あなたを敵にまわす」  あなたを敵にまわしてでも…… 「あなたを奪う」    月は白く、真綿のような微笑みを空に咲かせている。 「私は此の世界に君臨する者」  勇者の生まれ変わりよ、  お前の憎むべき存在だ。  千年の時を経て、地の底より甦った。  千年前にお前を奪った者。  その血筋、その生殖能力を。 「私は魔王」  視界が揺らいだ。

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