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第45話

 求愛ダンスぅぅぅ〜〜!?  それって自然界で鳥が踊るやつだよね?  タンチョウの求愛ダンスは、熱く、情熱的で美しい。  あとキモモマイコドリの雄のダンスは、起用で、枝の上、チョコチョコピコピコ可愛くって、好きだな。  俺にも、キモモマイコドリになれというのか!  やってやろう。世界一のムーンウォークを。 (……って)  踊った事ないけど。ムーンウォーク……  さっき二人で踊った社交ダンスでは、ダメなのだろうか?  いやいや、弱気になるな、俺!  ランハートの度肝を抜くムーンウォークをキメてやろう! (えっと、踵を上げて〜)  こうかな? 「アワワっ」 「おっと、危ない」  バランスを崩した体をランハートに抱き止められてしまった。 「如何なさいましたか?背伸びしても、私の身長を追い越す事はできないかと」 「〜〜〜」  背伸びじゃなくてムーンウォーク。  ……とは言えない。  俺はキモモマイコドリにはなれないのか。゚(゚´Д`゚)゚。 「話を続けましょう」 「はい」 「アイル様にはΩの嗜みとして、是非とも求愛ダンスを習得して頂きたいのです。本来ですと、αのフェロモンに誘発され、Ωの体は自然と動くのですが、アイル様はΩに覚醒されていないご様子。僭越ながら、私が手とり足とりご教授しようと思います」  ムーンウォーク、キタァァァー!  ランハートがキモモマイコドリに!  絶対見たい! 「心の準備はよろしいですか」 「はい!」  元気よく右手を挙手。 (ん、心の準備?)  ダンスのレッスンに心の準備?  それって必要?  いやいや、きっと見る者のハートを鷲掴みにして離さないムーンウォークが今から繰り広げられるのに違いない。  そのための心の準備だ!

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