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第13話 R18

 チャプリとバスタブのお湯が跳ねる度、俺の口からは甘い吐息が漏れ出てしまう。    湯船に入る前に黒川からさんざ体を弄られ一度射精しているはずの俺は、手を引かれてお湯に浸かった今も奴から与えられる愛撫でギンギンになっている。  「気持ち良い、先輩?」  後ろから抱き締めるような態勢は、意外にも逃げる事ができずに奴の思うままにされてしまう。  耳元で濡れたような声で囁かれた後に、舌がそのまま耳をチュッ、チュッパと愛撫し始めるから……、すでに両指で弄くりまわされている乳首との刺激で、俺は奴の首筋に顔を埋めるようにしてビクビクと体を震わせるしかなくなる。  「先~輩?」  耳を舐めていた舌を外して、甘く聞いてくる奴の声に応えるように俺は震える唇から舌を伸ばし、埋めている首筋に舌を這わせて    「ンッ……、き、持ち……良い……ッ」  素直に呟いた俺の台詞に、腰にあたっている奴のモノがビクビクと反応するのが解って、ブルッと臀部が揺れてしまう。  「……ッ、はぁ……可愛い。なぁ、もう出ようか?ベッドで抱きたい」  そう囁かれ俺は小さくコクッと頷く。力の入らない体に頑張って力を入れてバスタブから出ると、後ろから黒川がバスタオルでワシャワシャと水分を取ってくれて、俺は洗面台に両手を突いて黒川に好きなようにさせ、あらかた拭き上げた奴に手を引かれてベッドへ連れて行かれる。  「先輩、水分補給しな」  ホテルの冷蔵庫から出した水のペットボトルを投げられて受け取り、俺はキャップを外して喉を潤す。  飲み終わってベッドボードへペットボトルを置くと、待ってましたという顔で黒川が俺の上ヘ乗ってきて  「ハハッ、何か緊張すんね?」  照れ隠しなのかそんな事を言う黒川にギュッと胸を掴まれる自分も、大概だと思いながら奴の首に両手を回してキスをねだると、そんな俺に気付いたのかユックリと黒川が俺の顔に近付き、再び深く唇を合わせた。  キスの合間に奴はゴソゴソと片手を伸ばしてベッドボードを弄っていて、一度唇を離した時には器用にもジェルとコンドームを持っているから、たまらずに吹き出してしまう。  「え?笑うとか……」  「悪い……、何か、ツボに入った……ッ」  体を少し丸めて笑う俺に、心外だと言わんばかりの表情を向けてきたが、次いでは俺のモノにジェルを大量に垂れ流すと  「笑い声よりかは、可愛い声聞きたいんだけど?」  と、半勃ちになっている俺のモノを握って扱き始める。  「アッ……、お前ッ、いきなり……、ハァッ」  ジェルで滑りの良くなった黒川の指が、強弱をつけて裏筋からカリ、亀頭部分を撫でるように触ると、今度は手の平全体で包み込みジュッ、グジュッと厭らしい音を立てて扱く。その度に俺の腰は無意識に上がっていき、ヘコヘコと動くと  「気持ちぃんだ?脚も開いてきてるよ?」  黒川に指摘され俺は恥ずかしい気持ちになるが、それよりももっと気持ち良くして欲しくて……  「んぁッ、気持ち、良ィ~ッ、……と、……ッもっと……して……」  「ハッ……エッロ……」  俺の痴態に煽られたのか黒川はペロリと自分の唇を舐めると、広がった俺の脚の間に自分の体を入れ込み空いている方の手で撫で上げるようにスリリと双丘の奥にある孔に指を這わせる。  「ぁ……ッ」  触ってもらえる……、奥掻き混ぜて……ッ。  黒川に教えてもらった俺の良いトコロ。  コイツと距離を取っていた時に、自分で何度か中を擦ってみたが、あの時みたいに気持ち良く射精はできなかった。  期待で自分から黒川の指に擦り付けるように腰を上下に揺らせば、コクリと奴が喉を鳴らす音が聞こえてきて俺は黒川の顔に視線を向けると、バチリと目があった先に雄の顔がある。  フ~ッ、フ~ッ、と酷くしてしまいそうな自身を理性で押し付けている様に、ゾクリと腰から背中にかけて痺れが走り  「早、く……ッ」  呟いた瞬間、ヌププッ……と入って来た指は、最初から二本で……。俺はその質量に喉を仰け反らしてビクビクと体を震わせると  「ヒッ……あ゛~~ッ♡」  緩く出た喘ぎと同時に堪らずに射精してしまう。  ピンッと伸ばした脚が、ガクガクと弛緩していくと、それを待っていたと言わんばかりに黒川が中に入れた指を動かして内壁にあるコリコリとしたシコリを引っ掻くように指を動かし始め、俺は息を呑む。  「ンゥ゛~……、あ゛ッソコ……ぎ持ち、良ィ゛~~ッ」  「ここ、気持ち良いな?」  「う゛ンッ……気持ち……ィ゛ッ……気持ち゛、良い……ッ」  引っ掛かれ、押し潰され、挟まれ、叩かれる。その間も俺のモノを扱いていた手は、玉に伸びてユルユルとマッサージするように揉みしだくと、会陰を時折グッグッと刺激するので、その度に内壁が痙攣して中に入っている指を食い締めてしまう。  食い締めた指がシコリを挟んだまま前後に持ち上げるように擦った刹那、大きい波に呑まれて俺は一度ビクンッと大きく腹を波打たせた。  「あ~~先輩、上手にメスイキできたね」  ボゥッと気持ち良さに頭が回らない俺に、黒川が嬉しそうにそう呟きながら俺の膝小僧にチュッ、チュッとキスをすると、中に入れていた指を引き抜いてクルリと俺を裏返しにする。  ベッドに放ってあったジェルを手に取り自分のモノに垂らすと何度か扱いて、近くにあるコンドームに手を伸ばし、パッケージを破ろうとしている黒川の腕を俺は掴んで  「早く……ッ、レイ……」  弄られていた後ろが切なく、早く満たして欲しくて……ワケも解らずにそう呟く俺に黒川は、チィッと大きく舌打ちすると  「煽った先輩が悪い……」  うつ伏せで寝ている俺の腰を両手で持ち上げると、ニュグググッとカリ高のモノが俺の中へと侵入してくる。  「ぁ゛~~~ッ……♡♡♡」  奥までミッチリと嵌ったモノは、馴染むのを待たずに律動を始めた。  あ゛ッ、ア゛ァ……ッ♡、生、気持ちぃ……♡生チンポ……気持、ち……ッ♡♡♡  片膝を上げ、上から落とすように腰を打ち付けてくる黒川が、俺の背中に舌を這わせながら  「先輩……ッ、少し、だけ前……持ち上げて……ッ」  腰だけ高く持たれている姿勢から四つん這いになって欲しいのかそう呟かれ、俺はユルッと上半身を持ち上げると、スルルと伸びてきた片手が俺の乳首をキュッと摘みあげる。  「アッ、乳首……♡弄っちゃ……♡♡」  「ん?良いでしょ?」  バツンッ、バツンッと臀部と黒川の太腿が打つかる度に、鈍い音を立てながら俺の柔らかい肉が波打つ。  ブルブルと俺の内腿も震え、打ち付けられる度に内壁もギュゥゥと黒川のモノを締め付けると  ア゛……イ゛、グ……♡さっきよりも゛大き゛いの……グ、ルッ♡  腰を持っていたもう一つの手も乳首に伸びたかと思うと、カリカリカリッと指先で引っ掛かれ、俺がその刺激に喉を反らすと同時にギュッと両乳首を引っ張られる。  「イ゛ァ♡……ック……イ゛、ギュッ♡♡」  大きな快感に耐えるように奥歯を噛み締め体中を強張らせると、俺のモノから勢い良く透明の液体がプシッと漏れ出る。その瞬間くぐもった声と内壁にビュルルッと注がれる黒川の精液の感触に、ブルブルと俺の臀部が痙攣してしまう。  俺は再び上半身をベッドへヘタリと付けてしまい、時折ビクンッビクンッと体が跳ねる。黒川もまた射精後立膝にしていた片方をベッドへ下ろすと乳首から手を離し、スススと背中を撫でて俺の腰に手を置き一呼吸置いていて……。  ………………、まだ黒川のモノは俺の中に入ったままだ。そしてビクビクと体が跳ねる度に、気持ち良い感覚が俺を襲う。  俺は緩く自分で腰を動かし、奥から手前にあるシコリに黒川のモノをあてるとシビビビビと悶え、小刻みに入口付近を腰を揺らして自分で自分の気持ち良いところを黒川のカリで擦り付けてしまい……。  恥ずかしい……が、気持ち良さの方が勝ってしまい動かしている腰を止められない。  本当に小刻みに上下に動かしたり、回すように腰をうねらせたりしていると後ろから  「ッア~~……、先輩……ソレ、先っぽ気持ち良い……ッ」  黒川の気持ち良さそうな声が俺の鼓膜を震わせ、酔わせる。このままこうやって動かしても良いのだと……、黒川も気持ち良くなってくれていると思えば、徐々に腰の動きも大きくなって……  「ンゥ゛ッ、気持ち、良いよぉ~♡」  俺の濡れた声に、中に入っている黒川のモノがググッとまた質量を持ち始め、張ったカリがシコリに引っ掛かるようになり、俺は夢中で腰を振り始めると  「ハァ……、クッソ」  小さく悪態を吐いた黒川が腰を浮かし、俺の腰に置いている手に力を入れるとクルっと俺を横向きにさせる。  持ち上がった俺の片足を器用に退けて自分の肩に担ぐと  「覚悟してね、清文」  ニタッと笑った直後にまた、黒川は腰を振り始めた。           ◇  あの後さんざん泣かされた俺は、行為が終わった後足に力が入らずベッドの上で黒川に体を綺麗にしてもらうという恥ずかしい体験を経験した。  ………………、次回は絶対にゴムを着けてもらう。  体を綺麗にしてもらった後、休憩から泊まりに変えざるを得ず……。まぁ、今回は俺がホテル代を払ったので、チャンチャンだ。  ベッドの上で二人並んで横になり、黒川は明日起きる時間をスマホにセットすると俺の方に体ごと向け  「先輩あのさ~」  なんだか収まるところに収まった後のコイツは、甘えたの年下を丸出しにしてきてる?とフト感じる。  「なに?」  思いの外ガサガサになっている自分の声に笑いを堪えると  「今度、スーツ着てくんね?」  と、俺にお願いしてくるので  「スーツ?」  何でスーツなんか……と不思議そうに聞き返すと  「今日の衣装着た俺と一緒に、写真撮ってよ?」  黒川は言いながらソファーへ視線を投げている。俺の後ろにある衣装は、ウエディングドレス。ステージで何組かはカップルっぽく歩いていた。  「良いケド……」  自分と女装してウエディングドレスを着ているレイちゃんを想像して、少し恥ずかしくなった俺はボソボソと呟くと  「マジでッ!?」  思いの外嬉しそうにテンションを上げた黒川に少し驚きながらも、俺は気になっている事を聞いてみる。  「それよかお前……、明日ここ出る時あの衣装で出るの?」  俺の問にニコニコ顔の黒川は固まり、次いではスワッと青くなると  「ヤベ~……ッ、由佳に連絡ッ!!」  ガバリッと起き上がり電話をし始める黒川の隣で、俺はギャハハッ!と声を上げて笑った。 おしまい。

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