87 / 93

第87話

指を引き抜くだけで三条は声を漏らす。 流石に焦らしすぎただろうか。 けれど、空腹を堪えてからの飯は美味い。 待ては長い方が効果的だ。 肩にしがみついたままの恋人を今度はベッドへと押し倒した。 自分ごと押し倒したので、自身の体重が乗っかり三条は動けない。 それを良いことに首へと唇を寄せた。 「入ってもいいか」 「…はい。 ください……」 最後に、ぎゅっと身体を抱き締め半身を起こした。 スキンを使おうかとサイドチェストへと手を伸ばすと、細い指がそれを阻止する。 「どうした?」 「な…ま……が、いい…」 「疲れてねぇか」 頬を撫でながら聴くとコクッと頷く。 この1週間をしっかり勤務し、気を張っていた。 そんな状態でセックスをしたら疲れるのは目に見えている。 疲れた身体でまたシャワーを浴びたり後処理をするのは手間だろう。 だが、羞恥に堪えながらも此方を見詰めてくる目は真っ直ぐだ。 「分かった。 生でしような」

ともだちにシェアしよう!