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第89話

遥登は遥登だ。 当たり前のことだ。 だけど、それをかたちどる1つひとつがたまらなく愛おしい。 額のかたちも、眉のかたちも、サラサラした髪も。 耳のかたちや、喉仏の張り。 ちゅっと顔にキスを降らす。 その度に三条はふにゃっと表情筋を緩める。 セックスの最中だというのに、子供みたいな顔をする。 普段はくりっとしている目もやわらかく細められている。 「次はどこにする」 「どこでも…」 「強請ってほしいなぁ」 「……くち、」 軽いキス。 だけど、愛情表現のもの。 挿入したままそんなことを繰り返す。 「し、た…も」 「んー、舌? それともこっち?」 クッと腰を押し入れる。 「…あっ」 跳ねる脚と、上擦った声。 更に血流がソコへと集中するようだ。 「まっ…て……、」 「ほら、どっちだよ」 「ど…、…どっ、…ちも、」 「どっちも?」 可愛すぎて笑みが堪えきれない。 いつもは恥ずかしいと照れているのに今日は素直だ。 …そりゃそうか。 久し振りなんだから。 頬に手を滑らせ、すりっと撫でる。 ゆっくりと顔をこちらに向けさせ、唇を舐めた。 合図の通り開かれた隙間に舌を差し込んだ。 子供体温は社会人になってもかわらない。 また当たり前のことに安堵する。 舌を絡めて、舐めて。 腰も少しだけ揺らす。 「…ん、……ん、」 舌を噛まないようにしているせいで舌足らずな声が漏れている。 本当に頭が馬鹿になりそうなほど興奮する。

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