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第128話

エンディングまで観終わると背後から体重がかかってきた。 飲み物を手にし、そのまま口元へと運んでいく。 なんてことのない日常の動きだ。 だけど、マグを掴む血管の浮いた手やくっきりと張り出た喉仏、そこから続くチラリとしか見えない鎖骨。 そういうものがやけに扇情的に見えてしまう。 1度意識してしまうと、ケツに当たる長岡の下半身まで意識してしまうというか。 「飲みてぇのか?」 「え…、っと、」 「俺ので良いならどうぞ」 「ありがとうございます」 甘くないコーヒーをゴクッと嚥下する。 唇を湿らせるくらい。 キス…期待してるみたいなのも恥ずかしいな…… もう1口。 ……間接キス……… 頭の中に浮かぶのは中学生みたいなこと。 「ありがとうございました」 「どうする? 二度寝すっか?」 「そうですね。 正宗さんは、したいこととか行きたい場所とかないんですか?」 「遥登といれりゃそれが良い」 本当に…… 「なら、二度寝してゴロゴロしたいです」 長岡の傍にいたい。 それを言葉をかえて伝える。 直接言うのは少し照れるから。 だけど、長岡には本当の意味が伝わったのだろう。 だって、とても嬉しそうに笑ったから。

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