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第169話
「ただいま」
「とーと…はぅだ!」
父親の影から顔を出すと綾登はパッと嬉しそうな顔をした。
定時になると事情を知ってる長岡の声で早々に実家へと向かうことが出来た。
そのお陰でこの顔をみることが出来た。
後で伝えなければ。
「ただいま、綾登」
「おかえりぃ」
とととっと駆けてくると抱き付いてきた。
やわらかくて細い身体。
なのにしっかり幼児の身体だ。
「綾登、父さんには?」
「ぎゅっ」
腕だけ伸ばして口で効果音をつけた。
なんとも簡単な抱擁だ。
父が幼児のやわらかな髪の毛を撫でると、綾登は満足そうに笑ってからまた脚の間に顔を埋めた。
へへへっと声まで聞こえてくる。
「綾登、誕生日おめでとう」
「ありがと!」
「寒いから部屋に入りなよ」
「いこっ!」
美味しそうなにおいのする部屋へと手をひかれる。
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