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第170話

「たこさんとぉ、かららげ、あとこれ!」 綾登の好きな物だけが並ぶ食卓で、1つひとつ指を指しながら教えていく。 たこさんウインナーも沢山用意されているし、からあげも末弟の口のサイズに合わせた小振りのものが盛り付けられている。 野菜も沢山用意されている辺りに実家を感じる。 「うどんもあるよ」 「うどん、だいすき!」 いつの間にか、うどんをちゃんと言えるようになっている。 ほんの少ししか離れていないと思っていたのに。 うどんが運ばれてくると、優登がすっと席を立った。 「はぅは、なにすき?」 「俺も全部好きだよ」 少しだけ寂しく思うなんて自分勝手だ。 嬉しい成長のはずなのに。 「ケーキもあるんだよ」 「優登の?」 「ゆーとのっ!」 にっこにこの顔を揉みながら待っていると、真ん中にケーキが置かれた。 持ってきたのは次男。 2段のチョコレートケーキに苺とバナナが飾られている。 「あっ!」 「すげぇ、2段じゃん」 「まぁな」 「すごい!」 綾登はキラキラした顔で嬉しそうにケーキの1つひとつを褒めている。 それを見る両親の顔もとても穏やか。 優登も満更でもなさそうに笑っている。 「綾登、座ろっか。 ご飯食べよう」 「うんっ!」 楽しくて嬉しい誕生日会のはじまりだ。

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