228 / 232
第228話
炊きたてご飯に具材のごろっとしたカレーをかけ、更に半熟の目玉焼きを乗っけてもらう。
黄身は色が濃く、艶っと真ん丸だ。
なんて美味しそうなんだろう。
カレーだけでも美味しいがこの目玉焼きが乗ると何倍も美味しくなる。
たかが、たまご。
されど、たまごだ。
長岡の分も受け取り机へと運ぶと、その恋人は冷やしておいたサラダを持って追ってきた。
「食おうぜ」
「はいっ」
机いっぱいのご飯に頬が緩む。
どれも好きな物ばかりだ。
からあげもある。
スープも野菜が沢山のくたくたに煮えたもの。
今日はトマト味にしてくれた。
トマト味も大好きだ。
「誕生日おめでとう」
「ありがとうございます。
正宗さんも、美味しそうなご飯ありがとうございました」
「当たり前だろ。
遥登の誕生日だぞ。
ほら、冷めるから食おう。
いただきます」
「いただきます」
すぐに黄身をつついてしまうのは勿体ない。
まずはそのままカレーを楽しんでからだ。
味見をして味を知っていてもわくわくする。
スプーンで掬うと、大きく一口頬張る。
「美味しいですっ」
大きめの野菜がごろっとしてて、ピリッと辛くて。
大好きな味がする。
「へへっ」
「そんな美味いか?」
「はいっ。
すっごく美味しいです」
「ゆっくり食え。
おかわりも沢山あるから」
いつか聞いたことのあるような言葉。
だけど、少し違う言葉。
それだけ時間が経ったことが嬉しい。
ともだちにシェアしよう!

