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第230話

カレーをしっかり綺麗に食べると、長岡はケーキを並べた。 「ケーキ食おうぜ」 「美味しいやつです!」 「好きだろ」 真ん中に生チョコの巻かれたロールケーキ。 それが切られず棒のまま運ばれてきた。 そこに数字の蝋燭を刺すとライターで火をつけた。 そして、すぐに部屋の電気を落とす。 「誕生日おめでとう」 「ありがとうございます。 すごく嬉しいです」 カレーのにおいの中に蝋燭の溶けるにおいが微かに混じる。 消さなきゃ、と思うのになんだか勿体ない気がしてしまう。 自分のために用意してくれたこともそうだが、長岡は今日1日ずっと嬉しそうな顔をしていた。 それがとても嬉しい。 隣へと視線を移すと優しく微笑まれる。 穏やかに笑うこの顔が大好きだ。 だから、願うことは一つ。 ふーっと細く息を吐いて明かりを消すと頬にあたたかなものが触れた。 そして、おめでとうと世界で一番優しい声がした。

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