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第254話

18時を少し過ぎ、漸く仕事が一段落した。 明日からテストで授業もない。 その分他の仕事に全振り出来る。 生徒は覚えることで大変だろうが職員は案外そうでない。 とはいえ、新任にはあまり関係がなさそうだ。 「三条先生、どうですか?」 「あ…、進んではいます」 「そろそろ帰りますけど、まだ残ります?」 「はい。 もう少しだけ…。 19時には終わるかと…」 「五十嵐先生はどうです?」 部活もないと自分の仕事をこなせるのは有り難い。 お陰で、雑務を片付けてもこの時間だ。 このままスーパーに寄って海老を買って、下処理をしても三条が帰宅するまでには米も炊けるだろう。 なるべく栄養のある物を食ってほしい。 というか、食わせたい。 どの仕事も身体は資本だ。 「俺ももう少しだけ。 明日は定時で帰りたいので…もう少し。 長岡さんは帰りますか?」 「はい。 お先に…いいですか」 「勿論ですよ。 お疲れ様です」 「お疲れ様です。 明日はよろしくお願いします」 「ははっ、毎回律儀ですね。 お任せください」 机の上を片付けつつ、横目に隣を確認してしまう。 こういうのは自分の手でやって覚えていくことに意味がある。 口は出さず、必要なことだけ手を貸し、後は見守るだけだ。 「三条先生、お先に失礼します。 早めに帰れるのなら早く休んでくださいね」 「はい。 頑張ります。 お疲れ様でした」 名残惜しい気持ちを隠しつつ、海老を買うべく準備室を後にした。

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