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第253話

あの頃より大人っぽくなった三条は頬袋を膨らませている。 大人びたが、根っこはかわっていない。 素直で真面目で、なんでも頑張る。 一歩引いて物事を見ているようで、本当はうんと考えている。 努力を当たり前に出来る子だ。 けど、それを偉ぶらない。 そういうところが田上も吉田も好きなんだろう。 「田上と吉田は元気か」 「え? はい」 「そうか。 元気ならなによりだ」 「急にどうしたんですか?」 「いや、元気かなと思ってな。 元気ならなによりだ」 こんな時だから気軽に会えないのは承知だ。 それでも構わないから元気でいてほしい。 それだけでいい。 がらにもなくそんなことを思いながら米を口へと運ぶ。 「先生はずっと先生でいてくれますか?」 「定年までな」 「A組の」 あぁ…、そういう先生か 「勿論ですよ。 三条もずっと可愛い生徒です」 夢を叶えた子に言う言葉ではないのかもしれない。 それでも、本音を伝えてると三条はふにゃっと笑った。

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