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第256話

「とろとろですね」 「好きだろ」 「はいっ。 大好きです」 想像より早く──とは言ってもほんの気持ち程だが──帰宅した三条は部屋着に着替えて隣でにこにこしている。 半熟に焼いたたまごを米の上にのっけると、作っておいた海老チリを更にのせた。 「豪華ですねっ」 「仕事頑張ってるからな。 夏休みになったら、もう少し時間つくれるから。 そしたら仕事ももっと教えてやれるし、たまには出掛けようか」 「そんなこと気にしてくださってたんですか…?」 「気にするだろ。 恋人のことだぞ」 海老のように顔を赤くしたかと思えば、口元をきゅっと結んだ。 「お?」 「ニヤけちゃうの堪える癖つけないと…」 学校で気を付けられれば良いと思うが。 実際に、ニヤけるようなこともない。 けど、まぁ、真摯に職務に取り組むことは良いことだ。 だけど、少しだけ寂しくも思う。 …ーちゅ 「っ!」 「遥登」 キスの1つでこの顔に戻るならいいか。 「さ、めちゃいます…」 「ん。 あったかい内に食おうな」

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