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第16話

 興味が勝って頷いたくせに、一瞬覚悟が揺らいでしまって、朝霞がやっぱり断ろうか、と口を開く。すると、遠山は動じる様子もなく、落ち着いた声で朝霞に指示を放つ。朝霞は、ゆっくりと足を開いた。 「あっ…、…っ…ぅ…、あっ、あぁっ…、…ふっ…ぅ…」  足を開いた朝霞の後孔をローションを纏った指が擽り、入り口をくるくると刺激されて、ゆっくりと中へ押し込まれる。数回に同じようなことを繰り返されて、後孔にローションを馴染ませられた。遠山の指が出入りするたびに、朝霞の中を確認しているのか、壁の隅々まで指先が刺激してくる。朝霞が、覚えたあの場所もすぐに見つけられ、そこを何度か押し上げられた。 「うぁッ…、ひっ…ああっ…うっ…んン…」 「へえ…、優秀だな。…入れるぞ」  朝霞の反応を見て、遠山は楽しそうに笑っている。遠山が手にした器具を見て、朝霞の身体が上の方へとずり上がる。 「遠山、…ちょっとだけ、待っ…あ、ああぁっ…ひっ…ぅあっ…ううっ…」  ――ああ、…イイ…。  それを入れたら、どうなるかがわかっているから、心の準備が出来るまで待ってくれと言いたかった。ここの所、ずっと後孔に入れてきたそれが、どれほどいいのかもう知ってしまっている。入ってきた途端に朝霞の後孔はその形を捉えようとヒクつき、そのたびに後孔から快感が突き抜けてくる。  朝霞の腰は揺らめき、勃起した屹立からは液が滲み出る。遠山の手が、再び朝霞に触れだすと、全身がざわついた。 「ああぁっ…はっ、あぁっ…うっ…も、…ああっ…」  後孔からの刺激に加え遠山の指先が朝霞の胸粒を摘まみ上げ、コリコリとそれを弄ぶ。朝霞は刺激されるたびに身体を揺らし、その感覚に耐えた。  ――…もう、イきたい…。  後孔と胸粒だけの刺激では、達することが出来ない。けれど、達するギリギリのような感覚がずっと身体を襲う。達しそうで達せないのは苦しくて仕方がない。朝霞は指示されて上にあげていた手を、下へと伸ばそうとした。 「触るな。…指示は絶対だ。そう教えただろ?」  伸ばそうとした両手を遠山の手が制止する。もう一度上に戻されて、朝霞は身悶えた。  ――このままじゃ、耐えられない。  後孔に入っていたエネマグラが抜き取られ、代わりにそれよりもサイズ感の大きくなったバイブが朝霞の中へと沈められる。質量が増え、圧迫感が増す。その分、自分の中に入っているのだと実感させられる。バイブのスイッチが入れられ、中のものが動き出すと朝霞の身体が跳ね上がる。 「ひっ…あぅ…ああっ…、遠山っ…これっ…ああっ…嫌だっ…」  グリグリと仲の肉壁をバイブの先端が擦り上げてくる。後孔が収縮するたびに中の物の形を捉え、腰が浮くみたいな感覚が走る。朝霞の屹立から溢れ出る蜜が、糸を引き腹へと落ちる。その上、遠山の指先が朝霞の粒を弾き、摘まみ上げてくるのだ。  ――…もう、おかしくなりそうだ…。  両方からの刺激に、耐えられないと感じた時、朝霞の後孔に入っていたバイブが抜き取られた。 「イケなくて苦しい、か?…安心しろ」 「う、ああぁっ…何っ?…あっ、待てっ…あぁっ…変だっ…遠山っ…待てって…ひぃっ…」  朝霞に覆いかぶさるように体勢を変えた遠山の指が、朝霞の後孔に捻じ込まれる。エネマグラとバイブで解された後孔が、遠山の指を喜んで受け入れているのがわかる。二本くらい入っているのだろうか。捻じ込まれた指は、朝霞が快感を覚えた場所を的確に捉え、その場所を何度も掻くように刺激してくる。  腰がガクガクと震えだし、達してしまいそうなのに、もう少しのところで達せない感覚が渦巻いていく。  ――苦しいっ。

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