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これが、俺の精霊……? 1
「まさかリスト家の眠り姫が目覚めるとはね、驚きだよ」
入学式後、案の定先生に話しかけられた。
隣を見ると2人が「頑張れ」と言ってくれて、頷きながら別れ先生の後を着いて行く。
「高等部までの学習はしているかい?」
「はい」
「それは凄い、やる気があるね。
ということは召喚や契約に関しても知識はあるかな?」
「一応は」
たくさんシミュレーションはしてきた。
定められた場所で精霊を呼び、認め合えば知性を象徴するおでこを重ねる。
これが契約の仕方だ。
『精霊士が3つの中で1番大変な理由は、1人で完結できないから』
剣術士は己の剣と術で生きていく。
職人は、武器や薬草等の物と向き合いながら生きていく。
『精霊士は唯一、パートナーとの〝対話〟が必要になる。
他みたいに自分だけで何かをできない。必ず助け合わなくちゃいけないんだ。
〝心を通わせ話をする〟これが1番大事。いい?』
うん、分かってるよティア。
大丈夫。ちゃんと全部頭に入ってる。
辿り着いた先、校内にある大きな水晶の浮かぶ部屋。
「ここから先はひとりだ、終わったら出て来なさい。幸運を祈るよ」と中へ通され、ゆっくり扉が閉まった。
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