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エピローグ

「トアー!」「トアまた寝てたでしょ。顔の跡すごいよ」 「え、嘘」 だってあの先生の授業つまんないんだもん。 しょうがなくないか? 「精霊に共鳴で起こしてもらえば?」 「いや、それはちょっと……ぅひ!」 「なんだその声は。もっと可愛らしく鳴けんのか」 「エルバがいきなり触ってきたからだろう!?」 いつもの日常。なんて事ない日。 今日もクラスは、わいわい賑やか。 「服の上では物足りんかと思ってな、少し手を入れただけだ」 「学校ではやめろって言ったよな!止まらなくなったらどうするんだ」 「大丈夫だろう。我らはもう何度も深くまで繋がっている。だから並大抵の共鳴ではそのような事は起きーー」 「うわー分かったから!!」 慌ててその口に手を当てようとして、ひらりと避けられる。 それを追いかけて、そんな俺たちに「またやってるよ」とみんなが笑って。 「ちょっと、埃が立つから静かにして。 本当トア凄い顔してるね。次始まる前に顔洗ってくれば?」 「あ、うんっ」 呆れたようにティアへ言われ、廊下へ出た。 「駄目だなぁ、いつも怒られる……」 「自業自得だろう」 「うるさいなっ」 「……なぁ、トアスリティカ」 「? なに?」 「今、幸せか?」 「ーーっ、うん。幸せ」 過去にあんな事があったなんて考えられないくらい仲のいいクラス。 いつも見守ってくれる家族に、一緒にいてくれる友人。 それに、相棒兼恋人であるお前がいてくれるなら 俺は今だけじゃなくこの先も、ずっと幸せだ。 「蒼澄」 「どうしたの、学校で呼ぶの珍しいーー」 「愛しているぞ」 ゆっくり重ねられた唇。 びっくりしたけど受け入れる。 そこからの心地よい共鳴と、広がる温かな安心感と。 「俺も、愛してるよ。エルバ」 離れた先、とろけるような優しい眼差しに微笑み返した。 俺の居場所はここだ。この場所は、俺のもの。 それだけでこんなにも自分は強くなれる。大丈夫になれる。 「顔はもう綺麗だ、教室へ帰るぞ」 「えっ、まさか今ので?」 「我を誰だと思ってる。水の精霊だぞ? 洗いに行かずともよい」 「〜〜っ、お前なぁ!」 「ははっ」 ねぇ母様、日本の母さん父さん。 俺の日常は、こうやって笑いながら過ぎていくよ。 たくさんの思い出や、胸いっぱいの感情を表しながら。 だから、次また会えたら、いっぱい話を聞いてね。 「そういえば、お前が学校を卒業したら子を作るか」 「…………は?」 「人間と精霊の出す精が同じと思うなよ。 初めの交わりで出来なかったのが奇跡だ。あれは本当に我を忘れた。今でこそ調整できているがーー」 「待って、俺…子ども産めるの……?エルバとの……?」 「あぁ。我以外に誰がいる。浮気は許さんぞ」 「そうじゃなくて………えぇ……?」 訂正。俺を見守ってくれてる母様、日本の母さん父さん。 俺の日常は、どうやらまだまだ沢山の事が起こりそうです。 〜fin〜

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