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それから

「トア兄、準備はいい?」「本当に大丈夫なの?」 「大丈夫だよ。レス、ティア」 身体を繋げた後、目が覚めたのはなんと3日後だった。 身体は痛くなくて、普通に歩いたり走ったりもできて。 あんなに激しく絡み合ったからどこかに違和感とかあるんじゃないかと思ってたけど、「そんなものあるわけないだろう」とエルバに言われた。 人同士でするのと精霊とするのは、違うらしい。 成る程、勉強になった。 その後、父様や兄弟、屋敷の人たちに俺のことを話した。 ずっと眠っていたわけ。別の世界のこと。身体が2つあって混ざってこんな容姿になってしまったこと。全部全部。 話し終えた後、父様は涙を流しながら抱きしめてくれた。 「大切にする」と言ってくれて、「ありがとう」という言葉をくれて。 兄様もレスフィーも屋敷の人たちも泣いていて、俺も「心配かけてごめんね、ありがとう」と一緒に泣いた。 俺が目覚めたのを聞いて駆けつけてくれたティアにも、全部話した。 そしたら「それが僕より背が高くなった言い訳なわけ?」と睨まれて。 俺の過去を平気で受け入れて普段通りに話してくれる様子に、安心して心から笑ってしまった。 学校は大変だったらしい。 俺のクラスは、俺にした事が全てバレ現在学級閉鎖中。 各々自宅謹慎してるとのこと。 「どうする? もう通うのやめる?」「私としては通って欲しくないが…」というみんなの意見を聞きながら、俺は通いたい旨をしっかり話した。 もう逃げないし、負けない。 ちゃんとクラスメイトと向き合う。 もっと会話して、共に過ごして、卒業してみせたい。 話し終えると、父様はすぐ学校へ連絡を取ってくれた。 クラスメイトを集め話をする機会を与えてくれるそう。本当に感謝しかない。 「俺もその話し合い一緒に行くから」と兄様が言ってくれて、レスもそう言ってくれて。 本当は嫌だろうに俺の意見を尊重してくれる家族が温かくて、涙が溢れて止まらなかった。 それを、ずっと後ろで見守っていたエルバが拭ってくれた。 そして今日。話し合いの日。 久しぶりに着た制服に緊張したけど、既に待ってくれていた3人に安心する。 「トア、キツくなったらいつでも言うんだよ」 「はい。エトシィール兄様」 強く頷き、後ろを振り返る。 「父様、いってきます!」 「行っておいでトアスリティカ。 エトシィール、レスフィー、頼んだよ」 「「はい」」 「行こ、トア」 ティアにギュッと手を引かれる。 大丈夫。 俺はもう、ひとりじゃない。 兄弟やティア、父様がついてる。 それに、気配は消えているが近くにはエルバもいる。 だから、きっともう、大丈夫。 腹にグッと力を入れて前を向き、学校までの道のりを歩いた。

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