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動揺と葛藤 6

「失礼ね! 小さくないし、それに私はもう二十歳越えてるんですけど?」 「えええっ!?」 「なによ、その反応は!?」 流石にその発言にはみんな驚いたようだった。 「え、マジかよ? ボク、てっきり高校生かと思ってた」 「いや、あの体形はどう見たって中学生だろ……だって、胸とか全然……」 だってどこからどう見ても中学生にしか見えない。胸はほぼ平坦だし、黒髪ショートの髪型はどちらかと言えばボーイッシュな印象を受ける。 女性らしさと言えば、やや大き目なクリッとした瞳くらいだろうか? 女優にしては色気が足りないような気がしないでもない。 「聞こえてるんですけど!?」 小さな声で話していたつもりだったが、どうやら全部聞かれていたようだ。美月は不機嫌そうな表情で蓮達を睨み付ける。 「まぁまぁ、姉さん落ち着いて」 そこへ結弦がやってきて困ったように頬を掻きながら宥めるが、当の本人は不満げに眉を吊り上げている。 「ほんっと失礼。デリカシー無さ過ぎ。イケメンだからって何言っても許されるとて思ってたら大間違いなんだから!」 「あー。ハハッ。ごめんね? 悪気はなかったんだけど。女性の年齢ってよくわからなくて……」 美月に向き直り謝罪すると、蓮の顔をまじまじと見ていた彼女は何故か少しだけ恥ずかしそうに俯いた。 「いや……私もちょっとムキになり過ぎたかも……。確かにこの格好だったし……やっぱり、最初くらいはもう少し可愛い服にすればよかったかな……」 「え?」 蓮が首を傾げると、彼女は慌てて誤魔化す様に両手を振った。 「なんでもないの! 気にしないでっ!」 「はあ……」 そう言う彼女の服装は、上は白いシャツに下は紺色のジーンズとラフな恰好だが、特におかしい所はない。

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