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疑問 5

「やばいね、草薙君効果」 「ハハッ、流石有名俳優。一瞬にしてあの子の目をハートにさせちゃったよ」 一連の流れを少し離れた所から見ていたナギと共に、思わず失笑が洩れる。 「嘘ッ! ナギ君も居る!!! しかも、横に居るのって御堂、蓮さん!? イケメンばっかり……ど、ど、どうしよう」 二人の存在に気付くと今度は二人に視線が集中した。どうやら彼女の中で二人はかなりの有名人のようだ。 正直、自分も認知されているとは思っていなかったので正直驚いた。 「あ、あのっ! 奈々先輩が蓮さんのファンだったんです! サイン貰えませんか!? 戻ってきたら渡してあげたいので」 「えっ? 僕のサイン? ……まぁ、いいけど……」 第2話の台本の裏表紙とサインペンを差し出され、躊躇いながらも書いていく。 結弦やナギじゃなくて良かったのだろうか? なんて思ったが、失踪した彼女にあげたいと言われれば仕方がない。 「お兄さんの事知ってるんだ……ふぅん。よかったね、可愛い子にイケメン認定されて。嬉しいでしょ?」 書き終えて、それを嬉しそうに抱きしめながら、凛と今後の事について話を始めた彼女を眺めていると隣にいたナギがニヤリとした表情を浮かべながら、肘をつついて茶化してきた。 「……はぁ、何を言ってるんだ。僕が女の子に興味持てない事知ってるくせに」 それを呆れたように返しつつ、ロボットの合体シーンばかりが繰り返し映し出されているモニターに視線を移す。 どこからどう見ても、第一話で見た再現シーンとクオリティは遜色ない。 さっきの短時間でこれを引き出して来るあたり、やはり雪之丞の技術は相当なものだと改めて実感する。 当の本人は、やはりどこか自信なさげで猫背がさらに丸くなり不安そうな様子だったが、きっと彼なら大丈夫だろうと確信めいた思いがあった。

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