167 / 351
変化 5
「っ、……はぁ……っ、んぅ……っ」
寝室に響く甘い吐息。熱を帯びた声音。シーツを握り締め、快感に耐えるように身を捩らせる姿は艶めかしく、蓮の劣情を誘う。
もっと乱れさせたい。もっと喘がせて、泣かせて、快楽に溺れさせてやりたい。
後背位で細い腰を掴みガツガツと激しく突き上げてやると、白い背中が弓なりにしなる。そのまま覆い被さるようにして背中から首筋にかけて舌でなぞれば、「ひゃあ……っ」と甲高い悲鳴が上がった。
「や、だ……ぁ……ッ、そこ……っ」
「ん、……ここ?」
弱い所を突かれてイヤイヤと頭を横に振るナギに構わず、執拗に責め立てながら乳輪をくるりと円を描くように指先で弄ぶと、その度に内壁がきゅうっと収縮する。
「あー、凄い。ここ触るとナギの中、俺の事離さないって言ってるみたいにキュウって締まる」
「んぁ……っ、や……っ、言わな……っで……ッ」
意地悪く耳元でそう告げれば、ナギは羞恥からか枕に顔を埋めてしまった。
その反応に蓮はフッと小さく笑いを漏らした。いつも積極的に誘って来るナギが、自分の下で従順に悶えている事実に堪らない興奮を掻き立てられた。
一度ギリギリまで引き抜くと、ナギが不安そうに顔を上げて振り返った。生理的に潤んだ瞳で見つめられ、蓮はゾクゾクと身体の奥が疼くのを感じて口角を上げる。
「その目、凄くいいね。堪らないよ……ぞくぞくする」
「あぁ……っ」
一気に最奥を穿てば、ナギはビクビクと身体を戦慄かせて達した。しかし、蓮は動きを止めずに抽挿を繰り返し、ナギを追い立てる。
「ひっ、あっ、まだっ! 待って、イって、る、のにぃ……ッ」
絶頂の最中、敏感になっている身体を容赦なく攻められ、ナギは苦しげに眉根を寄せて身悶えた。
「ごめん、もう少しだけ付き合って」
「やっ、は……っ!ぁあっ! 待って、何? なん、で……っ、あぁっ、今日、いつもより激し……っ」
「うん、ごめん。今、ちょっと余裕ない……っ」
何故だろう。昨日もその前も、している行為は同じはずなのに、今の方がずっと気持ちが良く感じる。相手がナギだからだろうか? ほかの誰とも、理人の時とも違う。優しくしたいと思う反面、酷く乱暴に扱いたいとも思う。相反する感情が蓮の中で渦を巻いて膨れ上がっていく。
この気持ちは何だろう。征服欲と独占欲が入り混じったような、ドロリとしたこの感覚は――。
ともだちにシェアしよう!