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OFFの日 15
「そう言えば、あの二人……どうなったんだろう?」
火照った身体を横たえ、腕の中でスマホを弄っていたナギが、ふと思い出したように顔を上げて呟いた。
「もしかして、雪之丞たちのこと?」
二人きりで居る時に、他のカップルの事を思い浮かべるなんてナンセンスだ。
何となく気に入らなくて、蓮はナギの首筋に顔を埋める。
「ぁ……っ、ん……急になに?」
「別に。ただ、こうやってる時に他の男の名前を出すのはマナー違反じゃない?」
「何それ……んっ、んっ……だって、気になるじゃん……」
胸の突起に舌を這わせながら問うと、ナギの身体がぴくりと跳ねる。
「……僕と二人で居る時は僕だけの事を考えてよ」
こんなのはみっともないヤキモチだとわかっている。ナギは純粋に友人たちの関係が上手くいくことを望んでいるだけだ。
それは分かっているが、気持ちがついて行かない。
「ふっ……お兄さんてばヤキモチ?」
くすくすと笑いながらナギが手を伸ばして蓮の頬を撫でる。
「そう、だね。……僕は自分で思っていた以上に心が狭いらしい」
「ふは、何だよそれ。まぁ、お兄さんがヤキモチ妬きなのは知ってたけどさ」
まさか素直に認めるとは思わなかったのだろう。ナギはくすくすと笑みを零して蓮の身体に擦り寄って来る。
「ふふっ、でも……そう言うの、ちょっと嬉しいかも……」
「そう? 引いたりしないんだ?」
「しないよ。だってさ、それだけお兄さんが俺の事大好きって事じゃん?」
すりすりと頬を寄せて来てぎゅっと腕にしがみついてくる。その仕草が可愛くて、胸がいっぱいになる。
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