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OFFの日 16

「俺さ、お兄さんがレッドで良かったって思ってる」 「なんだよ。急に……」 「だって、ずっっと憧れてたんだよ? 俺……。一つの役を共有出来るってだけでも凄い事なのに、プライベートでこんな関係になるなんてさ、夢みたいだよなぁって」 すりすりと身体を擦り寄せて、背中にするりと腕が回る。 「正直、最終回なんて来なきゃいいのにって思う」 「っ、」 「だって、そしたら……ずっとお兄さんと一緒なのに」 すり……と背中に指が這い、ぞくりとした感覚が蓮の身体を蝕んだ。 「ナギ……」 「それだけじゃない。弓弦君も、ゆきりんも、はるみんも、美月もみんな好きだし、出来れば皆とずっとずーっと一緒に居たいけど……やっぱり無理、なんだよな……」 ぎゅっと腕に力が入り、少し苦しそうにナギは言葉を吐き出した。そんな姿を見ていられずに、蓮はナギを身体から引き剥がすとその頭をくしゃくしゃと撫でてやる。 「わっ、ちょぉ!? 何するのさ!」 「別に? ただ、やっぱりナギは可愛いなぁって思っただけだよ」 「っ、こ、子供扱いすんなっ」 耳まで真っ赤に染めて拗ねたように俯いてしまうナギが可愛くて、愛おしくて仕方ない。 蓮はクスリと笑みを零して、ナギの額にキスを一つ落とした。 「別に子供扱いなんかしてないよ。子供相手にこんな欲情するなんてあるわけないだろ?」 「……ばか」 耳元で囁きながら腰を押し付けてやると、ナギは恥ずかしそうにそっぽを向いてしまう。その仕草もまた可愛らしい。 「まぁ、色々あったけど楽しい現場だったと僕も思うよ。 色々あり過ぎたお陰でスタッフ間の仲も凄くいいしね。だからさ……、大丈夫じゃないか?」 「え?」 「番組が終わったって、僕らの絆はそう簡単に消えるようなものじゃない。今までアクターとしても裏方としても沢山の現場を見て来たけど、僕も……皆が大好きだから。まぁ、一番好きなのは君だけどね?」 そう言ってちゅっと額にキスをすると、ナギは嬉しそうに笑って首に腕を絡めて来た。 そのままゆっくりと唇を合わせ、舌を絡ませる。お互いまだ少し息が上がったまま、ゆったりとしたキスを繰り返す。 「ね、もう一回シてもいい?」 「……俺が断れないのわかってて聞くんだもんなぁ……お兄さんってば酷いよ」 ぷうっとむくれた顔をするナギも可愛い。 「ナギが可愛すぎるからいけないんだよ」 「……あっそ」 照れてぷいっとそっぽをむいてしまったナギが可笑しくて、蓮はクスクスと笑みを零しゆっくりと彼に覆いかぶさった。

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