サー　サー　サー 　夕日、そしてまるで優しいシャワーのような雨。僕は居間の畳の上に横になっていた。 　薄暗い家の中に、他の人の気配はなく、むくりと怠い身体を起こし見渡すが僕はひとりだった。 　秘部の虚しさ、腰の軋みが、雨の情交が夢ではなかったことを物語っている。 「………あーあ…」 　僕は彼が掛けてくれたであろうタオルケットを羽織って行動しようとする。下を向いたらメモ書きが残されていた。 　また、雨宿りさせて下さい。 　間もなく梅雨前線がやってくる。 　雨の日はまたすぐにやってくる。 　最後、果てる前に僕の仕舞ってた心を、彼は見透かそうとしていた。 　 　＿＿＿　それは実に不愉快極まりない。 　＿＿＿　俺は垣根越しに見ていた美しい彼に触れる口実ができあがった。 　僕は、少し雨が嫌いになった。 　俺は、少し雨が好きになった。