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 嗤いながら、涙を流した彼に俺は胸を痛めた。  精一杯の理性で冷静に言葉を紡いだ。さっきは本能のままに激しく動いて達した俺じゃ説得力は皆無だろうが。  この美しい顔を歪ませるのは、悦びだけで充分だ。 「好きなように、動いていいです」  そう俺が言うと、彼は(せき)が切れたように動き始めた。  俺は彼が動きやすいように少しだけ上半身を倒して彼を眺める。俺の太ももに手をついて上下、前後に腰を動かす。イイトコを突く度に美しく啼く。 「あ、あぁ、や、も、イイっ! きもち、い、あ、あぁっ!」 「俺も、持ってかれそう…ぅう…」 「まえ、さわって、ほし…いぃ…イキた、いぃ…っ!」  彼の望み通り俺は限界を突破してる彼の震えるソレを握って激しく擦った。彼の嬌声が上がり、俺の掌でソレははじけた。彼は身体をのけぞらせたままビクビクと痙攣している。  そんな彼の身体を貫いたまま、俺は再度浴衣の上に押し倒すと、さっきの普通の正常位より奥に、なんなら彼の最奥を攻めるように、彼の細い右足を持ち上げて「松葉崩し」の態勢にする。  雨脚が徐々に弱まってきた。豪雨は去った。  ザー ザー……  雨の音は俺たちの音を掻き消すことができなくなってきてる。  熱くなった俺はもうどうでもいい。遠慮も羞恥も捨てて彼を穿ち抜く。

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