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俺達の記念日①

「なあ、あき達って記念日とかイベントだって祝ったりする?」 真向かいで机にひれ伏す悠汰が問いかける。 そりゃ2人のイベントだよな。 毎年必ず2人で祝う特別な日。 「もうさ、結婚したら記念日とかよくない?」 ああ、葵になんか言われたのか、悠汰が忘れたのかどっちかだな。 「俺達はちゃんと記念日は大切にしてるよ。だって愛する人とのイベントだしさ」 「あきはそういうのちゃんとしてそう」 ちゃんとっていうか、はるの喜んだ顔が見たいだけなんだけど。 「悠汰はさ、記念日にサプライズとかして、葵の喜んだ顔とか見たくない?」 そう問い返せばガバッと起き上がり凝視する。 「あきに相談すればよかった・・葵怒らせちゃったんだよ」 怒らす何か。まあ女性は記念日って大切にするしね。 「もう結婚してるのに初めてデートした記念日ってなんだよ、そんなのすっかり忘れてるよ。何年前の話だって」 「案外悠汰って釣った魚に餌を上げないタイプなんだ」 「適度な餌はやってるじゃん、俺頑張ってるし」 その頑張りじゃダメなんだよ。覚えてることで愛情を確認し合う一大イベントだよ思うよ、俺は。 まあ、初めてデート記念日はどうかとは思うけどね。 カレンダーに目をやれば来週は俺達の付き合い始めた記念日。想いを確認した日。 俺は何年経ってもはると出会って告白してくれた日を忘れたりなんかしないよ。 記念日はやっぱり2人の愛情を確認する日なんだと思う。 そんな俺達の付き合い始めた記念日の6日前。 はるがとんでもないことを言い出した。

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