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第41話※
社交界が終わりアルフは自分の部屋に急いで戻る。
「クソッ! アリーン様のせいで長引いてしまった! 」
あの後アリーンに色々押し付けられ、結局最後まで残る羽目になったのだ。
ルキアが心配だったが、アリーンの手前平気な振りをしなければいけなかった。
急ぎ足で戻るとアルフの部屋の前にガフがいた。
「ガフ、ルキアは? 」
「ルキア殿はアルフ様のお部屋にお連れしております」
「そうか、今までありがとう。お前も休んでくれ」
そう言って部屋に入ろうとしたアルフにガフが頭を下げた。
「アルフ様、実はお願いがございます」
ガフが頼み事をするのは珍しいのでアルフは驚いた。
「お前が頼み事とは珍しいな? なんだ? 」
「実は…」
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ガチャと扉が開きアルフが入ってきた。
ルキアはアルフの部屋のソファにちょこんと座っている。
ツカツカとルキアの傍に近づく。
「アルフ様、社交界は終わりましたか? アリーン様とは特にもんだ…わっ! 」
話途中でアルフに抱き締められた。
「ア、アルフ様? 」
「ようやくルキアに会えた。また何かあってはと心配したぞ」
ギュッと強く抱き締めルキアの存在を確認する。ルキアは恐る恐る自分もアルフを抱き返し言葉をかける。
「私はここにいます。アルフ様のお傍に…」
「顔を良く見せてくれ? 怪我をしていたが…自分で治したのか? 」
ルキアの顔にはフルークに付けられた傷がなくなっている。
手を取ると手首のアザも消えていた。
「はい、証拠になるかと思って治さない方が良いかと考えたのですが、ガフさんが誰も目撃してなければ意味が無いと仰って…」
「そうだな、今回は手薄の時にやられたからな…何とか悪事を暴きたいのだが…」
「アルフ様、焦りはダメですよ? 一緒にお妃様の器を探しましょ! 」
「ルキア、また危ない目に合うかもしれない。これ以上お前を巻き込む訳には…」
「アルフ様、私はアルフ様を助ける為にこの世界に来ました。なのでお手伝いさせて下さい! 」
ルキアの勢いにアルフは顔を顰める。
「お前はこうゆう時はグイグイ来るのに、あっちはさっぱりだな? 」
「あっちとは? 」
キョトンとするルキアにもはやため息しか出ない。
「全く…これだよ! 」
アルフはそう言ってルキアを抱き上げた。
「ア、アルフ様! 」
「お前は無意識なのか? それとも私を試してるのか? 」
アルフは抱き上げたままルキアを寝室に連れて行く。
「た、試すだなんて…降ろして下さい! 」
お姫様抱っこに全然慣れないルキアは恥ずかしさで既に首まで赤い。
「嫌だね可愛いお前が悪い」
ルキアの言葉に無視して寝室のベッドまで運ぶ。
(そんな…今日は無事に寝れるのか? まさか、ヨリムさんが言っていた事を…いや、そんな急に…心の準備が…)
1人で妄想が膨らみ益々ドキドキするルキア。
そんなルキアを優しくベッドに降ろすと、おでこにキスをした。
「お前なんか変な事考えてないか? 私も嫌がるお前をどうにかしたいなんて思ってないぞ? 」
「そ、そんな、何も考えてないですよ! ヨリムさんに言われた事を少し思い出しただけで…」
その言葉でアルフは顔を顰める。ヨリムが言いそうな事が予想出来たからだ。
「ヨリムの奴、余計な事を」
ため息をついてルキアの横に寝転ぶ。
ルキアに腕枕をし自分の方へ抱き寄せた。
「ヨリムが何か言ったか大体想像はつくが、私はルキアを尊重するぞ。ルキアが大丈夫だと思ったら教えてくれ。今はこれだけで充分だ」
そう言ってルキアを強く抱き締めた。
(そんな、自分のタイミングで言う方がハードル高くないか? 俺だってイチャイチャはしたいし…でもまだエッチとかは怖いし…)
何とか自分も嫌ではなく怖い事を伝えたくて、ルキアは自分からアルフにキスをした。
「ル、ルキア? 」
突然のルキアからのキスに驚く。
「えっと…私は嫌とかではなく…初めての事で怖いだけです。アルフに触られるのは嫌ではないです…むしろ…好きです…」
ルキアの告白にアルフは苦悶の表情をした。
「こっちは我慢してると言うのに、お前って奴は…嫌なら言えよ? 」
そう前置きしてアルフはルキアに覆いかぶさり、熱いキスをした。
「ンッ…ア、アルフ様…」
ルキアは思わず声を漏らす。触れるだけのキスしか経験ないルキアには脳天を抉られる様なキスだった。
アルフはゆっくりと、でも激しくルキアの唇を堪能していく。
上唇を吸いながら舌をルキアの口の中に入れていく。ルキアの舌を捕まえ、自分の舌と絡ませる。
「アッ…ンッ…」
ルキアの吐息がもれでる。その声はアルフを刺激するのに充分だった。
「ルキア…」
アルフの動きが激しくなる。
「ンッ…アルフ…様…」
涙目になりながらも、気持ち良すぎる感覚にルキアは必死でアルフにしがみつく。
アルフはルキアに散々キスをした後、ルキアの耳を舐めだした。
「アッ…アルフ様…ダメ…です…ンッ…」
自分の耳元でピチャピチャと舐められる音が聞こえ、気持ち良さと恥ずかしさでルキアはおかしくなりそうだった。
それと共に自分の物が硬くなるのがわかった。
キスだけで反応してしまう自分に恥ずかしさで死にそうになる。
「も…もう…ンッ…」
もう止めてもらおうと言おうとしたら、再度口を塞がれた。
ルキアは自分の物が硬くなってるのを知られたくなく、腰をずらそうとした。
アルフはそれを許さずルキアの腰を強く抱き締め自分に押し付けた。
ルキアは自分の硬いのがアルフに当たるのを感じた。それと同時に自分にも硬い物が当たるのがわかった。
それは硬くなったアルフ自身だ。
「ア、アルフ様…」
驚いて見るルキアにアルフは優しくキスをした。
「自分だけだと思うな? 私も同じだ。口付けだけで、こうなるとは…私も余裕がないな…」
アルフの顔はいつも見ている余裕のある顔ではなく、高揚し余裕がなさそうだ。
そんな顔にしたのが自分だと思うと、ルキアは嬉しくなった。
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